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自治体の皆さまへ

特集 電力データ×AIで健康活躍のまちを目指す(1)

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三重県東員町

町では、第6次総合計画の基本構想で「健康活躍のまち東員町おみごと!があふれる町へ」を将来像(目指すべき姿)と位置づけ、健康寿命の延伸を目指しています。
そこで注力しているのがフレイル予防。今回は産官学連携で挑む、電力データとAIを活用した取り組みを紹介します。

■東員町が世界初の試みで先導者に
2月14日(水)に東京都で第6回日本オープンイノベーション大賞表彰式が行われました。そこで株式会社JDSC・東京大学大学院・中部電力株式会社・合同会社ネコリコ・東員町が共同構築した取り組み『「電力データ×AIでのフレイル検知」産官学連携で高齢化社会課題に挑む』が選考委員会特別賞を受賞しました。
この取り組みは、株式会社JDSCが「フレイル検知AI技術」を開発し、合同会社ネコリコが「システム」の開発・運用、中部電力株式会社が自治体を対象に「フレイル検知サービス」を展開。東員町は世界で初めて令和2年度から実証実験を始め、約2年半の実証を経て、東員町の健康増進事業として正式に採択。令和5年度から「東員町健康サポートサービス事業」として開始しました。
医療費や介護給付費の増加が社会課題となっているなか、自治体は効率的かつ早期のフレイル(虚弱な状態)発見と適切な関わりが求められています。この取り組みは、電力スマートメーターから収集した電力データをAI(人工知能)が分析することで、高齢者のフレイルリスクを継続的に把握でき、フレイルの早期発見や個別的支援の効率化を推進していくものです。
この取り組みが全国に展開されれば、誰もが日常生活の中でフレイル対策ができるようになる点などが評価され、選考委員会特別賞の受賞となりました。

■東員町健康サポートサービス事業のあゆみ
○令和2年8月~
三重県と東京大学との連携協定のもと、東員町内単身高齢者24人の協力を得て、東員町を実証フィールドとした電力データとAIによるフレイル検知の実証実験を開始。
約半年間の実証の結果、8割以上の精度でフレイル検知に成功。

○令和3年12月~
令和2年実証のフレイル検知AIのさらなる精度向上、検知後の官民連携による介入にかかる実証を、東員町内高齢者86世帯109人の協力を得て実施。実証終了時には9割以上のAI検知精度に向上したほか、検知後の介入部分における官民連携の実用可能性を確認。
また、フレイル検知後の介入により7割以上の人が健康状態に戻ったことを確認。

○令和5年4月~
約2年半の実証を経て、本事業の実用化を認めたため、東員町の健康増進事業として正式に事業を採択。東員町健康サポートサービス事業(電力データとAIによるアウトリーチ型フレイル予防事業)をスタート。

日本オープンイノベーション大賞は、オープンイノベーションのロールモデルとなる先導的・独創的な取り組みを表彰し、日本のイノベーション創出を加速するための表彰制度です。

■健康活躍は町民全員が取り組んでこそ
現在、東員町の65歳以上の高齢者における要介護認定率は、全国でも非常に低いレベルです。その理由は、東員町の特殊な人口構成にあり、介護を必要としている後期高齢者の割合がまだ少ないからです。しかし、数年後には後期高齢者の割合が前期高齢者を大きく上回り、医療費などの社会保障費の急増が予想されています。
そこで「健康活躍のまち東員町」を目指して、町では住民主体の健康づくりの推進を行っています。中でもフレイルの早期発見・改善が、健康寿命の延伸(=健康活躍のまち)につながると考えています。主な取り組みとして、

○フレイルサポーターの活動
令和3年度に県内で初めて誕生し、今では26人が活動。主に地域の通いの場などに出向き、住民自ら健康状態を確認するフレイルチェックの普及や啓発活動に取り組んでいます。

○地域介護予防活動団体の取り組み
それぞれの地域で「いきいき百歳体操」などの介護予防に取り組んでいます。

○健康づくりポイント事業の実施
検診やウォーキングなどの健康づくりに関する取り組みを実施した場合にポイントが付与され、ポイントを貯めるとちょっとお得なサービスが受けられる三重とこわか健康応援カードと交換できます。

これらの取り組みは、地域参加や社会参加に意欲的な人にとっては効果的ですが、取り組みの場に行くことができない人や閉じこもりがちで社会参加の機会が少ない人も多くいます。そこで注目したのが、電力データとAIを用いることで、普段通りの生活をするのみでフレイルの早期発見につながる今回の事業です。

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