■[記念対談 ~第3弾~]「ACP」 〜より自分らしく生きるために〜
ACPとは、「もしも」の時に備えて、最期までどのように生きたいのかを、本人を含めた家族、大切な人、医療や介護の専門職の方々と話し合う事で、「人生会議」とも言われています。
今回は、ACPの必要性や取り組みについて医師の方々にお話を伺いました。
長友薫輝さん(ファシリテーター:佛教大学 社会福祉学部 准教授)
平岡直人さん(松阪地区医師会長)
西井義典さん(松阪地区医師会理事)
○長友さん
医療従事者として感じるACPの必要性や取り組みを教えてください。
○平岡さん
病院で勤務していたときは、「病院で亡くなること」が当たり前と思っていましたが、開業し、在宅医療に関わることで、自分の最期をどう迎えたいのかを考えるようになりました。また、救急搬送された方や両親の最期など様々な場面に立ち会うことで、元気な時に自分の意思を伝えることはとても重要だと感じました。
○西井さん
最期の形は時代の流れとともに変化し、最近では「延命治療はしたくない」など自分の意思を表明される方も増えてきました。ご家族と医療や介護についての意見が合わない方もみえます。ACPの取り組みの一つとして松阪市版エンディングノート「もめんノート」は話し合いのきっかけづくりにも良いですね。
○長友さん
「死」だけでなく、その人の「生き方」を皆さんが共有できるのは、家族が集まった時がチャンスですよね。では今後の課題や目標を教えてください。
○平岡さん
元気な時から、身近な人と話しあえる空気を地域で作っていきたいです。
その一歩として、まずは「もめんノート」を書いてみてください。“死”について話すことで改めて“命の大切さ”を感じることもできます。
○西井さん
医療・介護関係者や住民の方に、ACPをどんどん広げていきたいですね。皆さんもご家族と集まる機会には、まず親から子どもに自分の生き方や最期について話し出してみてください。一度に決めなくても大丈夫ですので、少しずつ思いを伝える機会を持っていただければと思います。
○長友さん
最期まで自分らしく生きることができるよう、話し合い、思いを伝える。これはACPのみならず、このシリーズの目的でもある、安心して生活することができる「地域包括ケアシステム」の大切なポイントですね。
問合せ:高齢者支援課
【電話】53-4099
【FAX】26-4035
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