桑名市 総合医療センター糖尿病内分泌内科
堀田 康広(やすひろ)さん
今月のテーマ:なんなの?内分泌って⁉甲状腺疾患?
総合医療センターの堀田です。糖尿病内分泌内科に属していますが、皆さん、内分泌って何か分かりますか?
私たちの体の中では、さまざまな作用を持つ物質(ホルモン)がうまく調和して全身の臓器に作用し、人間の生命を維持しています。これらの正常な機能を保つのに必要な身体の機構が内分泌代謝と言います。難しいですね。
例に挙がりやすいのはインスリンです。インスリンは聞いたことがある人が多いかと思いますが、膵臓(すいぞう)から出る、血糖値を下げるホルモンです。よって糖尿病と内分泌は密接なつながりがあると言えます。また、当科は身体の脂質の調節、尿酸の調節などの代謝も専門に扱っており、生活習慣病のスペシャリストが集う科とも言えます。
ではホルモンを出す臓器はどこにあるのでしょうか?それは下垂体、甲状腺、副腎、膵臓、性腺などです。その中でも病気になる人が多い甲状腺疾患について話していこうと思います。甲状腺は甲状腺ホルモンというものを出す臓器です。
甲状腺ホルモンは身体に汗をかかせたり、心臓をドキドキさせたりするホルモンです。なんらかの原因で甲状腺ホルモンが過剰になると暑がりになり、手が震えてきたり、下痢をしたり、イライラしたり、食べても食べてもやせていくなどの症状が起こります。また、甲状腺ホルモンが低下すると無気力になったり、便秘になったり、寒がりになったり、体重増加が起こることもあります。うつや認知症に間違われる患者さんも数多くみえており、どちらも適切な治療を行わないと命の危険になる人もみえます。
内分泌代謝のこと、少しお伝えできましたでしょうか?「痛い!」など、はっきりとした症状ではなく、ホルモンの病気は「なんとなく」の症状がでることが多いです。何か気になることがある人は、まずはかかりつけの先生に相談してみてください。
問合せ:総合医療センター
【電話】22-1211【FAX】22-9498
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