◎桑名のまちづくりが進んでいく様子をシリーズ化してお伝えしていきます。
【スタートアップで桑名が変わる‼】
■スタートアップ支援のパイオニアSTATIONAi社長で桑名市出身の佐橋宏隆(ひろたか)さん(左)にお話を聞きました
桑名市出身。ソフトバンクに入社し、後にSBエナジー(株)を設立して、事業企画部長として再生可能エネルギーの発電事業を推進。2021年からはSTATIONAi(株)の代表を務める。
▽スタートアップとは
スタートアップとは、革新的なアイデアや技術で、急成長する企業のことです。一般的に、大企業よりもスピーディかつ柔軟に問題や課題に対応できます。また、新たな市場やサービスへの関心が高く、成長スピードが速いという点も特徴として挙げられます。近年、ビジネスの世界で注目を集めています。
▽スタートアップから見た桑名の魅力
名古屋という都市圏からの物理的な距離が近いことが非常に大きいです。さらに、桑名ならではの豊富なアセットやリソースがあり、スタートアップの実証フィールドとして非常に魅力的ですね。また、(株)柿安本店やナガシマスパーランドなど、個性のある市内企業や施設が多く、幅広い領域での共創・協業がイメージできるところも桑名の強みだと思います。
▽スタートアップ・桑名のメリット
スタートアップ側は、東京や大阪などのスタートアップ激戦区と言われる都市部では期待できないような、集中的かつ手厚い支援を受けられるところです。
一方、桑名側のメリットは、スタートアップからのさまざまな提案を受けることで、自分たちの有するアセット・リソースが持つ本来の価値やポテンシャルに気づけることです。
桑名がスタートアップを受け入れ、より良い関係性を築いていくためには、スタートアップ側には資金も含めてあらゆるリソースが不足しているという事情を理解することが必要です。スタートアップにとっては時間=お金であり、時間がたてばたつほどお金が無駄になっていく。だからこそスタートアップとは、スピード感を意識して、付き合っていく必要があると思います。
【桑名で進むスタートアップ】
(1)くわなスタートアップサミット「開国~KAIKOKU~」が実施されました
今年1月31日に国の重要文化財、六華苑で、桑名市がスタートアップに開かれたまちとなることを「開国」となぞらえた「開国~KAIKOKU~」イベントが開催されました。
当イベントには、桑名市役所、市内企業、スタートアップ、支援機関など、さまざまな立場の参加者が来場し、市長からの「くわなスタートアップ・オープンフィールド戦略(β版)」の発表や、桑名市とスタートアップの〝あるべき共創の姿〟に関する活発な議論、スタートアップの発表が行われました。
(2)「フェアナビ」実証実験
1月31日の「開国~KAIKOKU~」イベントをきっかけに、年齢や障害などに関係なく、誰もが市の情報にアクセスしやすくする、ウェブアクセシビリティの向上を目的に、合同会社KANNONが提供する「フェアナビ」を本市のホームページに試験導入する実証実験を行うことになりました。
この実証実験では、市のホームページ上に、フェアナビを呼び出す青色のボタンを配置し、老眼や弱視、色弱などの症状に合わせて、ホームページの表示を見やすくしたり、部分的に読み上げたりする機能などが追加されています。誰一人取り残さない、デジタル社会の実現をめざして、引き続き取り組んでいきます。
▽スタートアップの人にお話を聞きました
お話を聞いた人:合同会社KANNON代表 山下青夏(せな)さん
Q.「フェアナビ」を作ったきっかけは何ですか?
A.以前イギリスに住んでいた時に、そこのアクセシビリティがとても進んでいて、衝撃を受けました。日本に帰ってから、アクセシビリティがまだまだ進んでいない状況を見て、何とかしたいと思ったのがきっかけでした。
Q.スタートアップとしての苦労はありましたか?
A.世の中に既にいろんなアクセシビリティが広まっている中で、他にはない、質の高いものを実現するためにとても悩みました。その中で、アクセシビリティ業界に精通する専門家たちの知見を生かしたり、同時に障害者施設も運営し、利用者の声をフィードバックしたりすることで、本質的に問題を解決した「フェアナビ」を作り上げることができました。
Q.今後の目標は何ですか?
A.「フェアナビ」で対応できる障害の種類を増やしていくことや、外国人などのダイバーシティにも対応したアクセシビリティにも取り組み、一層すべての人にやさしい、情報格差のない社会の実現をめざしていきます。
問合せ:秘書広報課
【電話】24-1492【FAX】24-1119
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