◎桑名のまちづくりが進んでいく様子をシリーズ化してお伝えしていきます。
【地域とともに育むスポーツの未来】
スポーツは、心身の健康維持や地域コミュニティの形成など、地域において重要な役割を担っています。しかし現在、地域では子どもたちのスポーツ離れや高齢者の運動機会不足、スポーツ施設の老朽化、部活動の指導者不足などさまざまな課題を抱えています。
今回は、地域とともに持続可能なスポーツ環境を構築するために市が取り組んでいる事業を紹介します。
■NTN総合運動公園に新しいプールが誕生します
▽学校教育にも、健康づくりにも、災害時にも
昭和58年に設置された市民プールの老朽化や学校プールの維持管理費用削減、水泳授業にかかる教員の負荷軽減などを実現するため、現在、全天候型プールを、公民連携(建物賃貸借方式)で整備する事業を進めています。NTN総合運動公園サッカー場の東側に隣接する場所に令和8年度中に完成予定です。
新設するプールは、学校授業と市民大会などの公式大会の両方に対応するほか、運動や健康づくり、短期水泳教室、プール開放など、多世代が気軽に利用できる施設とするために、水深を調整する可動式の床を設置します。
さらに、災害時の避難所としての防災機能も併せ持ち、市民の皆さんがさまざまな場面で安全・安心に利用できる施設を整備していきます。
▽「民間力×桑名力」で地域を活性化
市では、行政と民間事業者などが協働で公共サービスの提供などを行う公民連携で、時代の変化に対応した施設整備・運営を進めています。民間事業者の独自のアイデアやノウハウを用いて施設を整備・運営することにより、効率的かつ持続的に市民サービスを提供することができます。
総合運動公園プールも民間事業者からさまざまな提案をいただき、スポーツ振興だけでなく、地域のにぎわいの創出もめざしていきます。
■NTN総合運動公園サッカー場がより安全に利用できるグラウンドへ
今年度、NTN総合運動公園サッカー場メイングラウンドの人工芝を張り替えます。平成26年に開設して以来、大会や練習などでたくさんの人に利用していただいていますが、劣化が進み、張り替えを希望する利用者の声を多数いただきました。
今回、耐用年数の長い人工芝に張り替えるとともに、ラグビー用のラインやポールを設置し、サッカーだけでなく、ラグビーにも対応できるよう整備を進めています。地域の皆さんに安心してご利用いただけるよう、施設の整備をしっかりと行っていきます。
▽地域スポーツクラブの声
桑名ジュニアラグビーフットボールクラブ代表
諏訪 豪(つよし)さん
桑名ジュニアラグビーフットボールクラブは現在、小学1年から中学3年までのスクール生56人が在籍しています。週3回練習を行っており、週末には、NTN総合運動公園サッカー場を利用して練習や他市のクラブチームと練習試合を行うこともあります。子どもたちが安全にスポーツに取り組めることが一番大事なので、人工芝の張り替えは、とてもありがたいです。また、サッカーだけでなくラグビーでも活用できるよう整備されるということで、マイナースポーツにも目を向けていただけるのはうれしいです。
スポーツクラブは、技術の上達だけでなく、地域の子どもたちがさまざまな年齢の人と交流をしたり、集団生活の大切さを学んだりします。人間性、社会性を育む場でもあるので、ぜひ、いろいろなスポーツに親しんでほしいです。
■持続可能なスポーツをめざして
市では、学校の働き方改革、生徒にとって望ましい環境での部活動の実施をめざし、令和3年度から部活動の地域移行に取り組んでいます。
市のスポーツ振興の推進を図ることを目的として、青山学院大学陸上部の原晋監督が会長を務める一般社団法人アスリートキャリアセンターと包括連携協定を締結しました。
取り組み(1):部活動の指導者育成
部活動の地域移行に対応していくため、青山学院大学とアスリートキャリアセンターが開発した指導者育成カリキュラムを活用しながら、指導者向けの研修を実施します。
取り組み(2):地域スポーツクラブの充実と環境整備
今後、部活動の地域移行に伴い、地域スポーツクラブが増加していくことを想定し、地域スポーツクラブを対象にチームマネジメントにおける指導方法や安全管理などの研修を実施します。
取り組み(3):広報活動
市内で、地域連携スポーツイベントなどの企画や部活動の地域移行について広報活動を行います。
6/9(日)に柿安シティホールで原監督による桑名市部活動地域移行スタートアップ講演会を実施し、「箱根駅伝」から学ぶ成長するための秘訣~力を引き出す指導術~というテーマでお話しいただきました。
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