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【特集】能登半島地震の被害から考える『防災意識を高めよう』(2)

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三重県桑名市

■被災地に派遣された職員の声
▽桑名でも起こりうる消火・捜索活動が困難な状況
緊急消防援助隊 消防本部総務課 水谷さん
三重県大隊として、石川県輪島市へ1月10日から応援に駆けつけました。輪島朝市周辺で発生した大規模火災現場や市内の土砂災害現場での捜索活動などが主な活動内容です。
内陸の方で大規模な土砂災害が起きており、現地へ行くにも重機が必要なほどの現場でした。さらに雨や雪、余震の影響で再崩落の危険があり、消防活動が思うように進みませんでした。輪島朝市の火災現場は、焼け跡が痛々しく、本当に悲惨な状況でした。火災の原因は傷ついた電気配線によるショートだったそうです。最初は2棟の火災でしたが、道路の陥没などの影響で消火栓が断水したことにより使えず、防火水槽も家屋の倒壊でふさがれて使えないなど、思うように消火活動が進まず、結果として大規模火災になったそうです。家屋の耐震化とともに地震火災への対策も必要だと痛感しました。

▽水を運ぶ運搬機器と断水時のトイレ対策を
応急給水活動 桑名駅周辺整備事務所 服部さん
石川県七尾市、能登町で応急給水活動をするため、現地へ向かいました。水を貯めておく配水池と、配水管が破損していたため、給水車で各所へ水を届けるというのが私たちの役割です。初日に訪れた避難所の中島小学校では、飲み水がなくなっていて、「給水車はまだか」という切迫した雰囲気が伝わってきたことを覚えています。2日目は一般市民への給水活動で、持参されたポリタンクなどに給水車から給水しました。一輪車のような運搬機器があると、運ぶ本人やフォローする人の負担を軽減できると感じました。
断水時のトイレ不足は、被災者・支援者全員にとって大きな課題となっていました。携帯用トイレの準備が必須であること、災害用トイレがどこに設置されているのか把握できるマップなどの必要性も感じました。

▽避難所の自主運営は防災訓練が必要不可欠
避難所支援 子ども総合センター 船戸さん
避難所の運営支援に入った輪島市立門前中学校の避難者は60代以上の人が多く、地区ごとに分かれて教室や体育館で過ごされていました。避難所運営は、自主運営体制を確立する段階であったものの、さまざまな地区からの避難ということもあり、意見交換が難しい状況でした。平時から、地域の枠を越えた防災訓練の重要性を痛感しました。
避難所内では、プロパンガスやカセットコンロなどで簡単な調理はできるものの、換気の不十分さや火事の危険性を感じました。断水中のため、給水車から給水された屋外タンクから、ポリタンクに移して各部屋へ設置する作業が必要となり、かなりの重労働でした。
またボランティアによる炊き出しが1日1回程度行われていたものの、「栄養バランスのとれた食事」という観点からも、自分たちで炊き出しをするという意識が必要だと感じました。

▽日ごろから地域で顔の見える関係が必要
健康管理支援 子ども総合センター 安田さん
三重県保健師チームとして、輪島市の指示に基づき個人宅訪問や避難所訪問をし、健康状態の把握や相談、生活環境の確認などを行いました。個人宅訪問では、「発災から1カ月以上経過しても応急危険度判定すら来ない」など不安を口にされる人が多く見られ、避難所訪問では震災のストレスから飲酒するようになったり、高血圧になっていたりする人がいました。必要に応じて医療チームや心の支援チームへ申し送り、医療受診などへつなげました。小さな避難所では、コミュニティ機能が残っていることが多く、一人でいる高齢者を支え合って生活されていました。
発災から1カ月が経ち、避難者だけではなく職員やボランティアにも精神的疲労がみられ、地域全体で協力して災害対応するには、日ごろから住民同士など、顔の見える関係を作っていく必要があると感じました。

問合せ:この記事については秘書広報課
(【電話】24-1492【FAX】24-1119)

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