■性的マイノリティの人権について~全ての人が自分らしく生きられる社会を目指して~
●みんな違って、それがいい
みなさんは「SOGI(ソジ)」という言葉を知っていますか。これはSexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の頭文字を取った言葉です。性的指向とは好きになる性のことで、異性を好きになる人もいれば同性を好きになる人、両性を好きになる人もいます。また、性自認とは心の性のことで、自らを男性と認識する人もいれば女性と認識する人、どちらにも決めない人もいます。このように性のあり方は多様であり、誰もがそれぞれの性的指向と性自認を持っています。
しかし、性的マイノリティである同性愛や両性愛の人などは、周囲の理解不足から興味本位や偏見の対象として見られることもあり、学校や職場での嫌がらせなど、社会生活のさまざまな場面で人権に関する問題に苦しめられることがあります。また、性自認と生物学的な性が一致しない人は、そのために違和感を覚えることがあり、自分の望む性別を認めてもらえないことにストレスや苦痛を感じたり、家族や友人に自分が抱えている悩みを打ち明けられなかったりすることがあります。
次のグラフは、SOGIに関連する内容について、令和4年度に実施した第7回市政アンケート調査の結果です。
▽設問1 あなたは「SOGI」という言葉について知っていますか。また、その意味を知っていますか。
▽設問2 あなたは性的指向や性自認に関わる性的マイノリティの人々について、どのような問題が起きていると思いますか(複数回答可)。
●調査結果から見えてきた課題と今後の展望
設問1ではSOGIという言葉の認知度が低かったことから、性的マイノリティに対する関心や理解がまだまだ広がっていないことが明らかとなりました。そして設問2では、この理解不足が差別的な言動や人権侵害行為を受けるという負のイメージにつながっている可能性が示されました。これらのことから、性的マイノリティの人々を生きづらくさせている社会の見方があることが分かりました。
国はこのような性的指向や性自認の多様性に関する国民の理解が必ずしも十分でない現状を鑑み、国民の理解増進を図るため、令和5年6月に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(LGBT理解増進法)」を施行しました。企業などの雇用事業主に対しては、研修の実施や就業環境に関する相談体制の整備等が求められており、学校に対しては、家庭や地域と協力しながら教育や啓発を行うとともに、教育環境の整備や相談機会の確保が求められています。また地方公共団体に対しては、その地域の実情を踏まえ、性の多様性に関する市民の理解増進に関する施策を策定し、実施することが求められています。
津市では市民の皆さんに性の多様性について考えていただく機会として、市民人権講座や人権講演会を開催するほか、広報津などを通して、性的指向や性自認を理由とする不当な差別の解消に向けて取り組んでいきます。
性的指向や性自認は全ての人が持つ属性です。その属性がどうであっても差別されたり、生きづらさを感じたりすることなく、全ての人が自分らしく生きられる社会を共に作っていきましょう。
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令和6年3月16日発行
第18号
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