■かつて鵜殿地区にも存在 火の見櫓(やぐら)に思いをはせる
かつて消防団の招集、町内への警鐘の発信などに使われていた見張り台「火の見櫓」。町全体を見渡せるように1段高いところにあり、火災を発見したらすぐに番人が半鐘を鳴らして火消しを招集するとともに、住民に危険を知らせる役割を持っていました。
江戸時代から昭和初期にかけて全国ほぼすべての地域に整備されましたが、自治体による消防団の包括、電話の普及と119番による通報体制の整備、サイレンや防災行政無線などの整備により、現在はその役目を終え、ほとんどの火の見櫓は撤去されました。
町内には現在、火の見櫓は残っていませんが、昭和27年から28年に撮影された火の見櫓の写真が残っており、現在の町役場裏あたりに存在していた立派な櫓の姿が確認できます。
火の見櫓はひとつとして同じ形状はないといわれており、鵜殿のものは三本の筋交入りの足に三角の見張り台、四角形屋根の下に半鐘が吊るされたデザインです。石造りの基礎も見られます。
近くに住む寺本秀夫(てらもとひでお)さんによると、役場のある場所には以前鵜殿小学校が建っており、その付近にあったようなので、右下に写っているのは校舎かもしれないとのことです。寺本さんが満州から引き上げて帰ってきた昭和21年ごろにはすでにあり、木造で灰色のような色をしていたそうです。火事はなかったので、実際に使っているのを見たことはないとのことでした。
また、小学生のころの図工の授業で火の見櫓の絵を描いたことがある人や、はしごを上って遊んだりした記憶がある人もいました。今回の調査ではいつごろ撤去されたかは分かりませんでしたが、まちのシンボルとして、住民が安全に暮らせるように見守ってくれていたのですね。
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