■不安に感じても支えてくれる人が必ずいます
ーひとりで抱え込まないで 認知症ー
認知症は特別なものではなく誰でもなりうる可能性のある、身近なものです。
令和6年4月時点の紀宝町の高齢化率は37・6%で、65歳以上の人口は、3,841人です。高齢化に伴い、認知症の方も増加傾向にあり、昨今の超高齢社会において認知症とどう向き合うべきかを考えることは、とても重要です。
認知症になってしまってもわかること、できることはたくさんあります。以前までは認知症は「発症したら人生がおしまい」、「何もできなくなる」、と暗い印象が先行しがちでしたが、これからは「認知症になっても大丈夫」、「発症してもできることはたくさんある」と前向きに考え、誰もが自分らしく暮らせるような地域をみんなで一緒につくっていきませんか。
◇認知症とは
「認知症」とは老いに伴い増えてくる病気の一つです。さまざまな原因で脳の細胞が死んだり、働きが悪くなったりすることによって、記憶・判断力の障害などが起こり、意識障害はないものの社会生活や対人関係を含めた日常生活に支障が出ている状態です。
◇認知症と加齢による物忘れ
年を取れば誰でも思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しいことを覚えるのが困難になったりしますが、「認知症」と「加齢による物忘れ」とは違います。
[加齢による物忘れ]
・体験したことの一部を忘れる(食事したメニューが思い出せない)
・ヒントを与えられると思い出せる
・時間・場所などの見当がつく
・日常生活に支障はない
・物忘れしていることの自覚がある
[認知症による物忘れ]
・体験したことの全体を忘れる(食事したこと自体を忘れる)
・ヒントを与えられても思い出せない
・時間・場所などの見当がつかない
・日常生活に支障がある
・物忘れしていることの自覚がない
※症状の進行状況などにより、個人差があります。
◇認知症の予防
認知症の原因の2/3を占めるアルツハイマー型認知症は生活習慣病と関連があるとされています。現在、完全に認知症を予防することはできませんが、認知症の発症を遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにするためにも次のポイントに気をつけ、生活を送りましょう。
(1)ウォーキングや体操など、自分にあった運動を生活の中に積極的に取り入れましょう
(2)バランスの取れた食事を心がけ、よくかんで食べましょう
(3)食事、睡眠のリズムを一定に保ち、規則正しい生活を送りましょう
(4)地域の活動や趣味などを通して積極的に人と関わり、コミュニケーションを取る機会を持ちましょう
◇認知症になっても自分らしく
家族に「認知症では?」と思われる兆候が見られたとき、すぐには現状を受け止めがたい心境になる人も多いと思います。「あんなにしっかり者だったのに」と親や家族にかつてと変わらない姿を求めてしまうのは当然のことです。しかし、その変化に一番戸惑っているのは本人です。難しいかもしれませんが、本人のあるがままの姿を受け入れようとすることで、お互いの心の負担が軽くなるかもしれません。
地域包括支援センターと社会福祉協議会では、地域の架け橋として認知症に関する相談のほか、医療、介護機関との連携、利用への繋ぎまでの総合的な支援を行っています。
最近、親が物忘れが多くなってきて、もしかして認知症かもしれない、といった心配事があるときはひとりで抱え込まないで、地域包括支援センターや社会福祉協議会にお気軽にご相談ください。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>