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[特集]地域と歩む 部活STYLE(3)

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三重県菰野町

■菰野町だからこそ進められる地域移行
◇文化部でも始まる地域移行
部活動の地域移行は運動部だけが対象ではなく、文化部も対象となっています。文化部の中でも特に人数が多く、地域での演奏活動やコンクールなどに臨む機会も多い吹奏楽部の活動が、地域移行を進める上で着目されています。吹奏楽部は、校舎内での活動が主となることや部員数が多いこと、楽器を扱うことなどから運動部とは異なる要素が多く、地域移行を進めるには数多くの課題が存在しています。ですが、菰野町では吹奏楽部も例外とせず、教育委員会、学校、地域指導者と連携しながら、適切な活動形態を見出せるよう模索を続けています。

◇先進事例としての菰野町
文部科学省が推し進める部活動の地域移行ですが、指導者の確保や学校との連携などの面で三重県内の29市町の中でも実行に移せている自治体は多くはありません。菰野町は、中学校が町内に2校だけで、全年齢層を対象に講座を開講する元気アップこものスポーツクラブがこれまでも子どもたちへの指導を行っていたことなどを理由に比較的、円滑に移行を進められています。
一方、三重県内では1289ある部活動のうち、令和5年度中に移行予定の部活動は152に留まり、約12%の部活動のみが地域移行を行う予定となっています。北勢地域でも町内全ての部活動を地域移行の対象として進めている自治体は菰野町のみで、近隣市町は試験的に特定の部活動のみを移行する、あるいは検討委員会を設置するのみの対応に留まっており、地域移行の先進事例として菰野町に注目が集まっています。

《三重県内部活動移行割合 令和5年度予定》

◇地域で子どもたちを育てる
現在、進められている地域指導者による指導は、部活動のレベルアップや競技の技術向上だけを目的に行われているものではありません。競技経験者が指導に携わるとどうしても「勝利至上主義」「全国大会を目指すための指導」などと思われがちですが、大会で成績を残すことだけが目的ではない「地域とともに歩む部活動」に主眼をおいて進められています。各部活動によって進捗状況や地域指導者の数などはさまざまですが、各部活動の状況に合わせて、教育委員会、学校、生徒、地域指導者が一体となって検討しています。まずは、学校の休日である土曜日、日曜日、祝日の部活動を顧問が不在でも地域指導者と生徒たちだけで活動を行えることを当面の目標に定め、地域移行を進めています。
少子高齢社会の中、少しずつ変化が訪れる教育現場。これからは、そんな変化の中、子どもたちのよりよい部活動環境を作り上げられるように地域で町の子どもたちを見守り、ともに歩みながら育てていく必要があります。

◇CASE 05 八風中学校 吹奏楽部
・八風中学校 吹奏楽部 地域指導者 瀬戸良明(せとよしあき)さん
〈コメント〉
どういう音楽を奏でていくか生徒たちが自発的に考えられるような指導を心掛けています。しばらくは学校と中学校にある楽器を使用して活動していくしかないですが、部活動を通して、みんなで音楽を作り上げる喜びと音楽っていいなと思える場を提供していけるよう持続可能な部活動を目指していきたいと思います。

・八風中学校 吹奏楽部顧問  水谷友紀(みずたにゆき)さん
〈コメント〉
私自身は中学生の時にしか楽器の経験がないので、具体的な指導を地域指導者にしてもらえることは大変助かっています。今後は、土日に開催する演奏会などもどのように顧問と地域指導者で役割分担をして、子どもたちの充実した演奏活動に繋げていけるかを検討していきたいと考えています。

◇INTERVIEW 元気アップこものスポーツクラブ 
理事長 横井一弘(よこいかずひろ)さん
三重県内でも先進事例として地域移行を進めています。中学生への指導は競技ごとの専門的な指導だけでなく、あらゆる面で今後に生かすことができる基礎体力の向上や体の可動域の拡張を大切にしながら、地域指導者の技術を伝えていっています。なかなか完全移行を目指すには難しい課題もありますが、専門的な指導を受けられることが菰野町で部活動を続けていく上での付加価値となるよう、今後も学校と連携して子どもたちを支えていきたいと思います。

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