町民の生命や財産を懸命に守り、
地域の中で活躍する姿がある――
その背には「菰野町消防団」の文字
有事の際に現場に駆けつける
地域防災の要、消防団
■地域に欠かせない存在 消防団
何の変哲もない日曜日の朝。ゆったりとした一日がはじまると思われた矢先に、玄関を出ると目の前には高く立ちのぼる黒煙が――――。すぐに着替えて詰所に集合し、消防ポンプ車で現場に駆けつけます。近くの川から水を吸い上げ、仲間と協力して火元へ一斉放水。そんな突然の火事や災害が発生した際に活動を行い、地域住民の生命や財産を守る存在、それが消防団です。今月号では、菰野町消防団の活動内容を紹介し、その必要性と重要性についてお伝えしたいと思います。
■減少傾向にある消防団員数
消防署に勤める消防署員は専門的で高度な知識と技術をもって、火災や災害対応の最前線で活動する常勤の地方公務員です。一方で消防団員は普段、別の仕事を持ちながらも「自らの地域は自らが守る」という精神に基づき、有事の際には自宅もしくは職場から出動して活動する非常勤特別職の地方公務員です。活動内容は、火災発生時の消火活動をはじめ、地震、風水害など災害発生時の救助、避難誘導、警戒など多岐にわたります。また、大規模な火災や災害発生に備えた定期的な訓練を実施し、住民への啓発、広報活動、防火指導などにも従事しています。その活動や訓練に対して年額報酬のほか、手当が支払われています。
地域の防災を考える上で消防団の存在は欠かすことができない一方で、全国各地の消防団で団員数が減少の一途を辿っており、大きな課題となっています。令和5年の全国の消防団員数は76万2670人となっており、平成30年度以降は5年連続で1万人以上減少し、危機的な減少傾向が続いています。
菰野町消防団においても、消防団員の減少傾向は顕著になりつつあり、定員168人に対し令和6年4月1日現在、159人となっており9人の欠員が出ています。
◆全国の消防団員数の推移
令和5年4月1日現在
▽消火活動
火災発生時は、自宅や職場から火災現場へ消防ポンプ車に乗って出動し、菰野町消防本部とともに消火活動にあたります。初期消火や水利確保、後方支援など火災現場での活動はさまざまです。
〈INFORMATION〉
町内では令和5年中に15件、令和6年4月までで5件の火災が発生しています。草木などの焼却による枯草火災なども多く発生しています。ご注意ください。
▽災害対応
災害が発生した場合、その地域を熟知した消防団は活動に重要な役割を果たします。水害や土砂災害には、消防本部と連携して要支援者や逃げ遅れ者への救助活動や土のう作成による支援を行います。
〈INFORMATION〉
これからの季節は出水期が訪れ、水害や土砂災害に警戒する必要があります。今月号のP16に「風水害への備え」を掲載しているのでご確認ください。
▽訓練警戒
定期的に消防本部が開催する訓練に参加し、ジャッキを用いた救助方法やチェーンソーでの倒木除去など有事に備えた訓練を受講しています。また、地域の防災訓練では指導的な役割も担います。
〈INFORMATION〉
菰野町消防団は各分団ごとに消防ポンプ車を有しており、年末特別警戒や防火広報などの警戒時には計10台で町内の巡視を行っています。
○菰野町消防本部 消防長 山本正春(やまもとまさはる)
我々、常備消防だけでは初動体制で出動できる車両は3台程度に限られており、火災や地震、風水害などの災害が発生した場合には、消防団と連携した活動が必要不可欠になってきます。そのため、地域に根ざした消防団の皆さんはその地域の地理や水利に関しても熟知しており、区長をはじめとする地域住民の皆さんと深い繋がりがあることも含めて、大変頼りになる貴重な存在だと考えています。
○あなたの力を地域の力に!消防団員募集
菰野町消防団では、随時、団員を募集しています。自分の力を菰野町のために生かしたい、自分のまちを守りたいと思った方は、下記までお問い合わせください。
入団資格:町内に在住、勤務している18歳以上の健康な方
基本手当:年額70,000円
訓練や火災出動時は別途手当
その他:公務災害補償・福祉共済完備団活動に必要な被服貸与
※在籍年数に応じた退職報償金あり
問合せ:菰野町消防本部 消防総務課
【電話】394-3211
【FAX】394-5766
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