■識字(しきじ)について
識字とは、文字を読み書きする力のことです。国や一定の地域における、文字が読み書きできる15歳以上の人の割合を識字率と言います。
9月8日は国際識字デーでした。世界中の国々や人々に識字の重要性を訴えること、世界の識字率を向上させることをねらいとして、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が制定しました。教育制度が整った先進国では当たり前のように思える識字。しかし、世界を見渡した時、文字を読み書きできない人は数多く存在します。現代においても満足な教育を受けられずに文字の読み書きができないまま大人になった人の数は約7億7300万人(世界の15歳以上の約7人に1人にあたる人数)にのぼります。
また、発展途上国ほど識字率が低いことも問題視されています。その原因として、貧困・差別・戦争などによって教育環境が整っていないことがあります。また、識字率の低い地域では、宗教や風習、価値観から、女性の識字率が低い傾向があります。
日本の識字率は、ほぼ100%とされていますが、実際には、いろいろな理由から学校に行けず、教育を受けることができなかった人もいます。生まれた年代や環境、差別などを理由に十分な教育を受けられず、読み書きが困難な人も存在するのです。
「国連の人権教育の原点は識字にある」とも言われます。国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)でも教育や識字率の問題は取り上げられました。目標4「質の高い教育をみんなに」には、教育を受ける機会を失った人たちの識字率アップも目標に含まれています。
1人でも多くの人が関心を持ち、向上のために取り組めば、文字の読み書きを理由に生きづらさを感じる人も減ることでしょう。その結果として、目標4の達成にもつながります。
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