鳥羽市の豊かな歴史遺産と、文化財の調査や保全を担当する文化財専門員の活動を紹介します。
知られざる鳥羽の魅力をたっぷりお届けします!
【豊田祥三 鳥羽市文化財専門員】
■指定文化財(していぶんかざい)とは何ぞや!?
鳥羽市内には指定文化財として認定されている文化財が74件あります。そもそも「指定文化財」とは何なのでしょうか。
文化財は法律で「有形文化財(建物や仏像・古文書など)」、「無形文化財(音楽・伝統工芸など)」、「民俗文化財(祭りや風習)」、「記念物(植物や岩石など)」などに分類されていて、特に重要なものを行政が指定し、保護しているものを「指定文化財」といいます。
指定文化財には国・県・市と格付けがあって、国にとって価値が高いものを重要文化財、さらに貴重なものは「国宝」になります。3月に松阪市の宝塚1号墳という古墳から出土した船の埴輪が国宝に指定されることが決定したのは記憶に新しいところです。
鳥羽市内には国宝はありませんが、国の重要文化財が9件、県指定が14件、市の指定が51件あり、市のホームページでも紹介しています。
指定された文化財については、勝手に修理や移動などはできず、行政に許可をとる必要があります。一方で保存・活用のために修理などを行う場合には、補助金などの支援を受けることも可能です。
鳥羽市の指定文化財については、専門家が集まる文化財調査委員会という会議で審議されて、その価値が認められ、所有者の同意を得た場合に新たに指定されます。
市内のレベルに留まらない貴重な文化財については、さらに調査などを行って県や国へと格上げされていく場合もあります。菅島町の菅島灯台は、令和4年に国の文化財に格上げされた事例です。このように文化財の価値を高めていくため、これからも調査を進めていきたいと思っています。
問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】25-1268
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