救急隊員は24時間いつでも出動できるよう準備していますが、同時に出動できる台数や受け入れる医療機関には限りがあります。
一人でも多くの命を救うため、救急車の適正利用をお願いします。
救急件数は年々増加しており、軽症傷病者の割合が高い状態で続いています。このような状態が続くと、近くの救急車が出動できず事故による大けがや、心筋梗塞、脳卒中などで病院へ搬送する必要がある人への救急車の到着が遅れる場合があります。
本当に必要な人、必要な場所に救急車が振り分けられるよう、一人一人が救急医療について関心を持つことが重要です。
そこで、適正な救急車の利用について考えるため、本市の現状や救急車を呼ぶか迷ったときの対応について、亀岡消防署の杉山さんに教えてもらいました。
■教えてくれたのは、この人!
京都中部広域消防組合
亀岡消防署警防課 救急第2係
消防士 杉山 和 隊員
◆昨年の出動件数は過去最多
近年、救急出動件数が増加しており、令和5年中には全国の救急車による出動件数が763万7,967件と過去最多を更新しました。救急車による病院収容時間の全国平均値も47.2分と前年比で約4.6分延伸するなど、救急業務は厳しい状況に置かれています。
本市も同様で、令和5年中の出動件数は、過去最多の5,015件、病院収容時間も45分と令和元年と令和5年を比較すると、7分延伸しています。
◇亀岡市内の年別出動件数・搬送人数
・令和5年
搬送人数(人) 4,696
出動件数(件) 5,015
・令和4年
搬送人数(人) 4,361
出動件数(件) 4,698
・令和3年
搬送人数(人) 3,747
出動件数(件) 3,968
・令和2年
搬送人数(人) 3,644
出動件数(件) 3,891
・令和元年
搬送人数(人) 3,974
出動件数(件) 4,177
◆救急搬送の約半数が軽症です
救急搬送された人のうち初診医師により入院を要さない軽症と判断された割合は半数以上を占め、その日のうちに帰宅する人が大半を占めています。
しかし実際に救急車を呼ぶ多くの人は、何らかの不安があって119番通報されています。
不安なときや判断に迷ったときは、専門家からアドバイスを受けることができる救急電話相談(♯7119)を活用してください。
◇亀岡市内の傷病程度別搬送
人員数 令和5(2023)年
・軽症 2,574人(55%)
・中等症 1,478人
・重症 549人
・死亡 95人
■亀岡市立病院の先生にも聞きました
亀岡市立病院
外科部長
吉井一博(よしいかずひろ)
◇救急医療は限りある資源
当院でも年々、救急車搬入件数は増加しており、2023年度は985件と過去最多でした。このうち入院となった件数は303件(30.8%)で、多くは軽症で帰宅可能でした。中には救急車でなくても来院できたのでは?と思われるケースもあります。確かに一般の人にとって救急車を呼ぶ、呼ばないというのは難しい判断となるかと思いますが、電話相談窓口などを利用して、救急車の適正な利用をお願いします。
当院は病床数100床と規模は小さく、救急専任の医師や看護師がいるわけではなく他の業務と兼務しながら救急受け入れをやりくりしております。皆さまのお役に立ちたいとの思いですが、医療スタッフ、病床、救急隊員、救急車、どれも限りある資源です。必要な人が必要な時に利用できるように皆さまのご配慮をお願いします。
■知っていますか? #7119
救急車を呼ぶべきか判断に迷ったときは、『#7119』(または地域ごとに定められた電話番号0570-00-7119)に電話することで、救急電話相談を受けることができます。
#7119に連絡すると、医師、看護師、トレーニングを受けた相談員等が電話口で傷病者の状況を聞き取り、「緊急性のある症状なのか」、「すぐに病院を受診する必要性があるか」などを判断します。
緊急性が高いと判断された場合は、直ちに119番通報するように指示があり、緊急性が低いと判断した場合は、受診可能な医療機関や受診のタイミングについてアドバイスを受けることができます。
■あなたの大切な人の命を守るために救命講習を受講しませんか
管内在住・在勤・在学の中学生以上なら誰でも参加できます
◇心肺蘇生法とAEDの実技講習
突然起こる急病やけがの中には、救急隊が到着するまでの間の対処が非常に重要な場合があります。
緊急時に慌てず迅速な対応ができるよう、ぜひ皆さんの参加をお待ちしています。
日時:9月15日(日)午前9時から正午まで
場所:亀岡消防署東分署会議室(篠町)
定員:20人(要申し込み)
申込:9月13日(金)までに電話、メールまたはホームページにて
※次回は令和7年2月15日(土)に予定しています。
問合せ:亀岡消防署警防課救急係
【電話】22-9584【メール】kameoka-f.d.keiboka@kyoto-chubu119.jp
■ためらわず119番で救急車を呼んでください!
・呼吸をしていない
・脈がない
・意識がない
・大量に出血している
などの場合はためらわず119番で救急車を呼んでください!
※救急体制の維持は未来への財産です
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