ハロー!CIR(国際交流員)のシャベズ・莉愛(りあ)(25)です。
私の母国アメリカの文化・習慣について毎月連載しています。
『ALT(外国語指導助手)の3人でタイ旅行を楽しんできました。今もなお建築中で「アジアのサグラダ・ファミリア」と呼ばれている巨大木造寺院「サンクチュアリー・オブ・トゥルース」に施された細かい彫刻の数々は圧巻でした。』
■シリーズ(22)エチケットPart2
アメリカでは日本と異なるエチケットやマナーがあり、それが無意識のうちに失礼な行為につながることがあります。同様に、日本を訪れるアメリカ人も逆の立場で、同じような誤解を招くことがあります。互いのルールを理解するために、今回はアメリカのエチケットやマナーについて紹介します。
◆運転マナー
アメリカの車社会のマナーやルールは、基本的に日本と同じですが、アメリカ独自のものや日本よりも厳格なものもあります。例えば、車を駐車場以外の場所に1分でも駐車するとすぐに取り締まられ、都市部では特に厳しいです。違反金が課せられたり、車をレッカー車で移動させられたりすることもあります。
日本では、道を譲ってもらった時などドライバーに感謝を示すために軽くクラクションを鳴らすことがありますが、アメリカではクラクションは、相手に対し不満を示していると受け取られます。近年ではクラクションが原因でトラブルに発展することが増えており、クラクションを控える人が多くなっています。
◆ビジネスでは
日本では考えられませんが、上司に対してファストネーム(名前)で呼ぶことがあります。初対面の上司にはファミリーネーム(苗字)で呼ぶことが一般的ですが、関係性が深まるとファストネームで呼ばれることを好む人も多く、日本よりカジュアルな環境です。ただ、英語には日本語のような敬語がないので、上司との会話やメールでは正確で丁寧な文法を使います。また、アメリカは名刺の重要性が低く、ほとんど交換することはありません。
ビジネスでは、「時間はお金」という考え方が広まっており、時間を大切にすることが重要です。会議は短く効率的なものが好まれ、意思決定する時もスピードを重視します。また、日本では昼休みなどに仮眠をとる人がいますが、アメリカでは職場で寝ることは好意的に受け取られません。
◆タブー
◇喫煙
アメリカでは、バス停や公園などの公共の場で喫煙や飲酒は禁止されており、違反すると罰金を課せられます。1960年代に政府が喫煙に反対するキャンペーンを始めたことがきっかけで厳しくなり、レストランや店舗にも喫煙室はありません。日本を訪れた際、施設などに喫煙室があるのを見ると驚くことがあります。
◇ジェスチャー
手のひらを下に向けて行う手招きは、日本では「こちらに来てください」という意味ですが、アメリカでは「遠ざかってください」という意味になります。「こちらに来てください」とジェスチャーする場合は、手のひらを上に向けて手招きします。また、中指を立てるジェスチャーは「不敬」「怒り」を表すので、使うべきではありません。
◆日本とのマナーの相違
◇食べ歩き
日本では日常での食べ歩きは敬遠されていますが、アメリカではよく見られます。食べ歩きしやすいハンバーガーやホットドッグなどが街中でたくさん売られています。
◇電車内での電話
日本では、バスや鉄道などの公共交通機関での電話は避ける傾向にありますが、アメリカでは、特に問題ありません。ニューヨークの地下鉄などでは、車内で曲を演奏するなどのサプライズパフォーマンスが増えており、静かな場所ではないので、大声でなければ電話していてもあまり気になりません。
◇ポケットに手を入れる
アメリカではポケットに手を入れることは一般的で、仕事中にポケットに手を入れて上司と会話することもあります。これは相手とのリラックスした関係の表れとされており、失礼にはなりません。
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