■市民の皆さまのご意見を反映した外観や内装のデザイン
市民の皆さまや専門家などに議論いただき、新型車両のデザインのコンセプトは「みんなにやさしい・京都ならではの・愛着がわく地下鉄」に決定。市民・利用者の皆さまのご意見を参考に複数のデザインを製作し、最も多くの投票が集まったデザインを採用しました。
・華やかで雅な色合いの内装
・近未来的なイメージの外観
市は、烏丸線を走る20編成のうち老朽化の進む9編成について、2021年度から2025年度にかけて車両の更新を行っています。現在、1月30日から運行を開始した車両を合わせて、5編成が更新完了。今回は、新型車両の特徴や各編成の魅力について紹介します。
▽ひとくちメモ
電車の数え方
列車の車両を複数個つなげた状態を1編成と言います。なお、新しく更新された編成では、両端の車両に「おもいやりエリア」を設置しています。
※詳しくは本紙をご覧ください。
■伝統産業を取り入れた京都ならではの車両
外観・内装のデザインに、伝統産業の素材や技法を活用。これらの素材は、市指定の伝統産業74品目から選定しています。
標記銘板…鉄のプレートに純金銀をはめ込む「京象嵌(きょうぞうがん)」の技法を活用。伝統的な文様の「幸菱(さいわいびし)」の柄を基調としたデザインとなっています。
釘隠し…金属工芸の技法を活用して製作された、伝統的な建築の装飾などに用いられる「釘隠し」。編成ごとに異なるテーマを設定しています。
吊り手…鞘(さや)を市内産木材の「北山丸太」で製作し、帯締めなどの和装に用いられる「京くみひも」を巻き付けています。
局章…1枚の金属板を鎚(つち)で浮彫状に装飾を打ち出す金属工芸「鎚起(ついき)」の技法を活用し、車体の交通局章を製作しました。
■バリアフリーで誰もが快適に利用できる車両
新型車両には、誰もが安心・快適に利用できるよう「おもいやりエリア」を設置。また、全ての車両への車椅子・ベビーカースペースの設置や車両の床面とホームとの段差の低減など、利用者の皆さまに優しい車両になりました。
■さまざまな伝統産業に出会えるおもいやりエリア
おもいやりエリアの立ち掛けシートには、京都の伝統産業の素材を飾り付けた展示スペースを設けています。編成ごとに異なる装飾が施され、第5編成では「京銘竹・京竹工芸」と「京七宝」を飾っています。
「新型車両に乗って、伝統産業を身近に感じて欲しいです」
素敵な伝統産業にもっと触れてみたい方は、5面の「伝統産業の日」のイベントをチェック!
◆各編成のおもいやりエリアを彩る伝統産業の展示をご紹介!
第1編成
西陣織…西陣織の生地8種類を展示。
京友禅…実物の生地と写真で、京友禅が仕上がる工程を展示。
第2編成
京仏具…仏像の浮き彫りや、その製作工程などの説明パネルを展示。
京焼・清水焼…多様な皿を用いた、新ブランドの紹介パネルを展示。
第3編成
京扇子…四季をテーマに表裏で異なるデザインの飾扇子(かざりせんす)を4本展示。
京漆器…主な製作工程の説明や現代の漆器工芸などを展示。
第4編成
京鹿(か)の子絞…製作工程の説明と技法の異なる4種類の京鹿の子絞を展示。
京表具…襖(すすま)・屏風(びょうぶ)の完成に至るまでの工程と構造を展示。
□グッドデザイン賞とローレル賞を受賞!
京都ならではのデザインが評価され、2022年に優れたデザインに贈られる「グッドデザイン賞」を受賞。また、2023年には、鉄道友の会が優秀な車両に贈る「ローレル賞」を受賞しました。
市民・伝統産業関係の皆さまのご協力のおかげで受賞することができました。
□新型車両をもっと詳しく知るためのQA
Q:今、車両を更新する必要はあるの?
A:今回の更新は、開業当初から40年以上使用した9編成の老朽化に伴うもので、利用者の皆さまの安全確保のために必要不可欠です。なお、新型車両は、安全性や快適性が向上するだけでなく、省エネ化により旧型に比べて約30%も消費電力の削減に繋がります。
Q:伝統産業品に費用をかけすぎでは?
A:伝統産業界の振興につなげたい伝統産業の関係者と京都らしい地下鉄車両にしたい市の思いが一致した取り組みであり、伝統産業品の一部は事業者のご厚意により無償提供いただきました。
Q:新型車両にはどうやったら乗れるの?
A:HPに新型車両の運行ダイヤを掲載しています。ぜひ調べて、乗車してみてください!
▽地下鉄・市バスの定期券をご購入の方へ
3月末から4月上旬は定期券発売所が大変混雑します。新規・継続ともに、利用開始日の14日前から購入できるため、早めにお買い求め下さい。
一部定期券は、地下鉄全駅の券売機でも現金で購入可能です。
問合せ:高速車両課
【電話】863-5264【FAX】863-5269
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