◆一般会計歳出総額 42億143万円
歳出総額は、前年度よりも4億7112万円(12.6%)増の42億143万円となりました。
令和5年度の特徴としましては、令和4年度に引き続き物価高騰対策として、物価高騰対策重点支援給付金の給付、地域振興券事業を実施しました。また、歴史や文化・伝統の情報発信や学習や情報教育に利用できる複合的な施設、伊根町文化振興・多世代交流施設「伊根の杜」の整備、ほっと館改修工事、老朽化した筒川文化センター解体工事を行いました。
歳出は「目的別」と「性質別」の2つの見方でみることができます。
性質別は、必ず支出しなければならない「義務的経費」と、自由に支出することができる「任意的経費」に大別することができます。
義務的経費は、公債費等の増額により、約1億8千万円の増額となりました。任意的経費は、町道改良工事、伊根の杜の整備、筒川文化センター解体工事の実施により、約2億9千万円の増額となりました。
目的別では、土木費が町道改良工事の実施により約9千万円の増、教育費がほっと館改修工事・筒川文化センター解体工事の実施により約2億1千万円の増、公債費が繰上償還の実施により約1億6千万円の増にとなりました。
▽その他
維持補修費、貸付金など
▽繰出金
診療所、簡易水道、下水道事業などの特別会計への繰出金
▽積立金
基金への積立金(貯金)
▽補助費等
宮津与謝消防組合への負担金、各種団体への補助金など
▽物件費
光熱水費、委託料、電話・郵便料など
▽投資的経費
道路、漁港施設などの建設事業費、災害復旧費など
▽扶助費
医療給付費、老人ホーム入所措置費、児童手当など
▽公債費
借金の返済金
▽人件費
職員給与、町長など三役給与、議員報酬、各種委員報酬など
○公債費
過去に道路、漁港、学校等の施設整備を行った時に町債を発行したものを、償還(返済)する費用のことです。
◆町の財政~状況財政健全化法に基づく指標を公表~
町の財政状況を表すものとして、財政健全化法に基づく5つの指標の公表があります。
5つの指標にはそれぞれ基準(早期健全化基準・財政再生基準・経営健全化基準)があります。
「早期健全化基準」「経営健全化基準」(イエローカード)を超えると、「要注意」段階と見なされ「早期健全化計画」「経営健全化計画」を策定し、自主的かつ計画的に財政再建に取り組まなくてはなりません。
「財政再生基準」(レッドカード)を超えると、財政再生団体に指定され財政再生計画を策定し、国の厳しい指導・監督の下での財政再建を行うこととなります。
このように、財政が完全に破たんし「レッドカード」が出される前に、「イエローカード」で注意を促すという制度となっております。
▽令和5年度も町財政は健全
令和5年度決算に基づく、実質赤字、連結実質赤字、将来負担、資金不足の4つの比率は昨年度に引き続き、比率として表れず健全性が保たれました。
実質公債費比率は0.8ポイント悪化しました。令和5年度は令和3〜令和5年度の単年度の数値の3か年平均で求めます。令和2年度と令和5年度を比較すると、一般会計の公債費が増額したことにより数値が上昇(悪化)しました。
近年の宮津与謝クリーンセンター整備事業、伊根中学校改築事業、観光関連施設整備事業や生活基盤整備事業(町道の強靭化対策工事)など大型事業を実施し町債を多く発行したことにより、今後3年間公債費の増額が見込まれるため、より一層の財政の健全化を図る必要があります。しかし、国は財政支出を抑制しながらも持続可能な経済財政運営を進めているため、今後、国からの交付金などの減額が予測されます。
そのため、あらゆる動向を注視したうえで、これからも中長期的な視点で、計画的な財政運営を行います。
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