■(がん検診で大切な命を救おう♡キャンペーン) えっ?受けてないの、わたしだけ?
肺がん・胃がん検診に行こう!
8月から肺がん検診と胃がん検診(胃部X線検査)の受付が始まります。
大切な命を守るため、肺がん・胃がん検診を受けましょう。
◆宇治市民の現状
・約3割の方が「がん」で亡くなっています。
▽死因別死亡割合(宇治市)
出典:京都府保健福祉統計(令和2年)
・「肺がん(気管、気管支含む)」や「胃がん」による死亡(比)が、全国よりも多くなっています。
※肺がんは男女とも、胃がんは女性のみ
▽主ながんの死亡比(宇治市)
出典:人口動態統計特殊報告(平成25 年~平成29 年)
日本人の2人に1人が「がん(悪性新生物)」と診断され、宇治市でも死因の第1位となっています。
がんの予防には、禁煙、節酒、バランスの良い食事や適度な運動、適正体重を維持する等の健康的な生活習慣を実践することが大切であり、がんのリスクを抑えることができます。しかしそれでもがんを100%防ぐことはできません。
仮にがんになったとしても、早期発見することができれば、医療の進歩によって、がんの半数以上は治る時代となっています。早期のがんは、自覚症状がほとんどないため、そのためにもがんを早期発見できる「がん検診」が非常に重要です。
宇治市では、今年度から「がん検診で大切な命を救おうキャンペーン」に取り組んでいます。「忙しいから」「時間がないから」「またの機会に」等々、言い訳をしても、病気の進行は待ってはくれません。あなた自身や大切な人の命を守る貴重な機会、さあ、がん検診を受けに行きましょう!
宇治市長 松村 淳子
■[INTERVIEW]呼吸器の専門医にお話を伺いました。
初期は無症状 検診で早期発見・早期治療を
・おやいづ医院 院長
京都府医師会理事 肺がん対策委員会担当
宇治久世医師会 がん検診委員会 肺がん検診担当
小柳津 治樹(おやいづ はるき)先生
◇肺がんは喫煙者だけの病気ではありません
肺がんの初期は、ほぼ無症状です。他の病気により検査を受けた際、たまたま肺がんが見つかったということはありますが、早期発見は、「がん検診」でしか見つかりません。
肺がんの原因として主なものは、喫煙と受動喫煙と言われています。ただし、タバコを吸わないから「肺がんにはならない」ということはありません。肺がんの原因には、PM2.5等の大気汚染や、女性ホルモン等も関係しているといわれています。タバコを吸わない人も、毎年肺がん検診を受ける必要があります。
◇自覚症状がないうちに
現代のがんの治療薬の進歩は目覚ましく、遺伝子解析にて、その人にあった抗がん剤が選択されるようになってきました。肺がんの進み具合により、切除手術や放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)を組み合わせて治療を行います。
肺がんの初期はほぼ無症状のため、「息苦しい」「せきがとまらない」等の自覚症状が出てくると、切除不能となることも多くなります。いくら治療が進歩していても、身体へのダメージは著しく、その後の治療成績も悪くなります。
やはり一番望ましいのは、自覚症状がないうちからの早期発見・早期治療です。がんが発生した部位や性質にもよりますが、早く発見できれば、治療後も元の生活に戻れる可能性は高くなります。
◇肺がん検診は1年に1回受診を
肺がん検診は、1回受ければ数年間受診しなくても大丈夫というものではありません。検診の受診が途切れた年に見つかるケースもあります。
肺がん検診は、2人の医師が読影(同じ患者さんのフィルムを確認)すること、そして、過去のフィルムと比較読影し、精度を高めた国が推奨する検診です。
自覚症状がなくても、毎年、肺がん検診をぜひ受診してください。
また、50歳以上の方で、一日の喫煙本数とこれまでの喫煙年数をかけて600以上を超える場合、肺がん検診時に「喀痰検査」を追加されることも有用です。これは気管支にがん細胞が隣接している場合、たんの中にがん細胞がないかを見るものです。簡易な検査ですので、喫煙する方だけでなく、過去に喫煙されていた方も、この機会に受けてみるのもよいかと思います。
◆先生!教えて! 胸部X線検査や加熱式たばこについて
・胸部X線検査による、放射線被ばくが心配…。大丈夫なの?
回答:レントゲン写真の被ばく量は、0.1ミリシーベルトで、自然界で被ばくする1.5ミリシーベルトよりも、少ない被ばく量になっているため、心配ありません。
・加熱式たばこは、紙たばこと比べて、リスクは低いの?
回答:間違ったイメージを持たれやすいのですが、異物を肺に入れるということに変わりはなく、リスクが低いとは言えません。加熱式たばこは普及してから年数が浅く、現在研究が進められているところです。
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