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シリーズ健康エッセイ vol.138

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京都府木津川市

■こどもの誤飲・誤嚥について
▽たけうちファミリークリニック 竹内雄毅医師

こどもは好奇心旺盛で、何でも口に入れてみようとします。そのため、誤飲や誤嚥の事故が起こりやすく、注意が必要です。
「誤飲」とは異物を誤って飲み込むことで、消化管に入ることを意味します。一方「誤嚥」は異物や食物が誤って気道の中に入ることを指します。ここでは、特に気をつけてほしい誤飲・誤嚥の話をします。
・ボタン電池
ボタン電池が食道に停滞すると、数時間で消化管の壁を傷つけてしまいます。特にリチウム電池の場合、3時間程度で食道の壁を穿孔(穴を開ける)させてしまい、大変危険です。時には食道と隣り合う気管の壁まで貫いてしまうこともあり、しばらくの間人工呼吸器での全身管理が必要となることもあります。
・ネオジウム磁石
強力で小さな磁石でこどもの身近なおもちゃにも含まれていることがあります。複数個を誤飲した場合に、消化管を挟んで固定されてしまいます。そのまま時間が経過すると、消化管穿孔や腸閉塞を引き起こし、開腹手術が必要になります。
こどもが誤飲した場合、慌てずに医療機関に相談しましょう。飲み込んだ異物と症状を伝えるようにしましょう。
・誤嚥
誤嚥は1歳前~3・4歳までに多く見られ、特に豆類やナッツ類などの食べ物や小さなおもちゃが原因となります。遊びながら口にしていて、何かの拍子に気管に入ってしまったというエピソードがほとんどです。大きさや詰まった位置によって、症状や程度が異なります。窒息して救命できないこともあり、大変危険です。
窒息に気づいたら、すぐに救急車を呼び、救急車が来るまでの間、詰まったものを吐き出させるための応急処置が非常に重要です。背部叩打法や腹部突き上げ法などの処置を繰り返しおこない、吐き出させる必要があります。万が一に備えて、対処法を確認しておきましょう。(本紙掲載2次元コード参照)

家庭で以下の点に注意するだけでも、多くの事故を未然に防ぐことができます。
・こどもの口に入る大きさ(直径4cm)のものを周りに置かない
・こどもの手が届かない場所に置く
・ながら食べ(歩きながら、遊びながら、話しながら)をさせない

こどもたちが安全に過ごせる環境づくりを心がけましょう。

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