■「火山豆石(かざんまめいし) 雨の化石」
夜久野町化石・郷土資料館蔵
火山の地下にはマグマがあり、底からマグマが上昇して地表に出る現象が噴火です。噴火時には溶岩・火山ガス・火山灰などが噴出されますが、これを火山噴出物といいます。
写真の石(本紙参照)は、兵庫県養父郡八鹿町から産出された約1500万年~2000万年前の火山噴出物のひとつで、石についている球状のものを火山豆石(かざんまめいし)といいます。豆石の名のとおり、大きさ5mmから10mmの小豆や大豆のような形をしたものがいくつもあります。
火山豆石のもととなるものは水滴です。では、どのようにして豆のような形になるのでしょう。
火山が噴火した際に降った雨、もしくは噴き出した大量の火山ガスは膨張し、上空の冷気によって水蒸気から水滴にかわり、水滴の表面張力により火山灰が吸い寄せられ小さなかたまりとなります。原理としては小麦粉の中に水滴をたらすと水滴を中心に丸いかたまりができるのと同じです。空中で最初にできた小さな豆石(約1mm)は噴煙の流れに乗って吹き上げられて水蒸気を取り込んだり、吹き飛ばされた火山灰をくっつけたりを繰り返し、球状に形作られ大きくなっていきます。こうして、大小さまざまな大きさになり雨のように地上へ降り豆石となるのです。
夜久野町化石・郷土資料館には別名「雨※1の化石」ともいわれる火山豆石のほか、ラグビーボールのような形をした火山弾(広報ふくちやま平成29年6月号で紹介)などの火山噴出物も展示しています。ぜひご覧ください。
※1 化石ではないものもある
問合せ:文化・スポーツ振興課
【電話】24-7065【FAX】23-6537
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