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シリーズ 福知山の文化財 収蔵資料紹介(81)

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京都府福知山市

■「徳利(とっくり)」
福知山市教育委員会 所蔵

写真の徳利(本紙参照)は、三和町にある旧川合小学校から寄贈された徳利です。(1)が陶磁製、(2)と(3)が陶製で、高さは写真(1)が18・5cm、写真(2)が24cm、写真(3)が26cmです。
徳利とは、口が小さく胴がふくらんだ容器で、「とくり」ともいいます。語源には諸説ありますが、一説にはお酒を注ぐ時の「とっくとっく」という音から来ているのではないかと言われています。素材は陶磁器が多く、元々は室町時代後期に酒・醤油・酢・茶などの貯蔵・運搬容器として用いられ、一斗(約18ℓ)も入る大きなものもありましたが、次第に小型化して酒徳利が主となり、酒席で注器としても使われるようになりました。
世間に広く流通していったのは、有田焼(佐賀県)や瀬戸焼(愛知県)、美濃焼(岐阜県)の徳利と言われています。有田焼の徳利は、ふくらんだ胴から細長い頸がのびた白磁(はくじ)に、呉須(ごす)(藍色の顔料)の上絵を施したもので、白鳥(はくちょう)徳利と呼ばれ、九州を中心として広がりました。一方、瀬戸焼・美濃焼の徳利は陶器で、主に中部・関東地方を中心に使われました。
江戸時代中期になると、それまでの濁酒から清酒を飲む習慣が浸透し、酒宴で燗酒が多く飲まれるようになり、写真(1)のようなより小さな燗徳利が登場しました。形は細長いものだけでなく、写真(2)(本紙参照)のように球体のものも存在しました。また、酒屋ではお店の名前が書かれた徳利にお酒を入れて売るスタイルが一般的で、写真(3)(本紙参照)の徳利には「豊嶋酒店分」と白文字で書かれていることが確認できます。
現代では、電子レンジで温められるなど、より手軽に使用できるようになりました。また、ガラス製や金属製でお洒落なものも多くみられ、形も様々で贈り物として選ばれることもあるそうです。この機会にお酒を飲みながら徳利の形を眺めてみるのも楽しいのではないでしょうか。

問合せ:文化・スポーツ振興課
【電話】24-7065【FAX】23-6537

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