光野町で平成26年、府内でも最大級といわれる大カツラの周辺で、絶滅が危惧されている「ヒメザゼンソウ」の群生が発見されました。身近な希少野生生物「ヒメザゼンソウ」を通じて、綾部の豊かな自然や環境保全について考えてみませんか。
■名前の由来は花の形
ヒメザゼンソウは、単子葉植物(※)・サトイモ科・ザゼンソウ属の植物です。「ザゼンソウ」は、仏様が座禅しているような姿に見えることからその名前が付きました。そして「ザゼンソウの小さいもの」という意味で「ヒメ」が付き「ヒメザゼンソウ」と呼ばれています。中央は、小さな花が多く集まった花序(かじょ)(肉穂花序(にくすいかじょ))。その花序を背後から取り囲むのは、濃い紫色の葉(仏炎苞(ぶつえんほう)(苞葉(ほうよう)))で、6月ごろに花を咲かせます。
保全活動は、地域の振興と活性化に取り組む団体「水源の里・光野」が実施。ヒメザゼンソウの周辺に柵を設置して立ち入りを制限し、生育を妨げるシダ等の除草を行っています。生き物の種が一度絶滅すると、人間の手でよみがえらすことができません。植物などを観察するため、山へ入るときは踏み付けないように歩き、ごみを放置しない等、気を付けましょう。
■府の指定希少野生生物に指定
ヒメザゼンソウは令和4年11月29日付で、京都府の指定希少野生生物に指定されました。同生物は、府内で絶滅のおそれのある種のうち、特に保全を必要とする種を「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例」で守るもの。指定された種の採取等の行為は条例違反で、罰則等の対象となります。
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