■避難所等の配慮が課題
8月に宮崎県沖で発生した地震で、初めて南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。解除されるまで、全国に緊張が走った一週間となりました。
災害と人権は切り離せません。甚大な被害をもたらした平成23年の東日本大震災では、原子力発電所の事故による農業・畜産業・水産業への風評被害が発生。避難した人に対する避難先での差別や偏見などの問題も起こりました。避難生活では、必要な配慮や支援、情報の不足が課題となります。特に、高齢者や障害者、病人やけが人、女性、子ども、外国人などの弱い立場の人は、取り残されがちであるといわれています。
■誤情報は復興の妨げにも
災害は、多くの人の命を危険にさらし、人々の暮らしを奪い、大きな苦しみを強います。元日の能登半島地震では、SNSに救助を求める虚偽の情報が流れ、警察や消防が出動する事態が発生しました。不確かな情報に基づいて他人を不当に扱ったり、偏見や差別を助長するような情報を発信したりすることは、人権侵害に当たるだけでなく避難や復興の妨げにもなりかねません。
災害は、いつ、どこで発生するか分からず、誰もが被災者になる可能性があります。復興途中の能登半島を襲った9月の記録的豪雨など、災害が続くこともあります。災害時こそ正しい情報と冷静な判断に基づき、思いやりの心を持って行動しましょう。
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