■子宮頸がんとは
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因であり、性的接触により感染します。HPVは性別に関係なく感染するウイルスですが、その中でも性交経験のある女性の半数以上が、感染するといわれています。HPVに感染しても、約90パーセントの人は免疫の力でウイルスが自然に消滅しますが、HPV感染が長期間持続した場合は、数年以上をかけて子宮頸がんに進行することもあります。
日本では、年間に約11,000人が子宮頸がんになり、そのうち約4人に1人が亡くなっています。また、発症するのは20~30代の女性が多く、若い世代に多いがんといえます。
■子宮頸がんの発症まで
■2つの予防方法
子宮頸がんの予防方法は2つあります。一つは、HPVの感染を防ぐことのできるワクチン接種を受けることです。13~16歳(中学1年~高校1年相当)の女性は定期接種として、市内の協力医療機関で、無料で受けることができます。
もう一つは、定期的な子宮頸がん検診を受けることです。検診で、前がん病変(がんになる前の異形成という状態)を発見することで、早い段階から治療することができます。初期の子宮頸がんは自覚症状がないため、早期発見のためには、定期的な検診が欠かせません。市では、20歳以上の女性に、2年に1回の子宮頸がん検診を勧めています。
■他人事にせず話し合いを
自身の健康を維持するため、決して他人事にしてはいけない子宮頸がん。これを機に、ワクチン接種、検診について家族と話し合ってみてください。
■定期接種や検診の詳細は、市ホームページで確認してください。下コード(検診は左下コード)からアクセス可。※二次元コードは本誌またはPDF版をご覧下さい。
■キャッチアップ接種は来年3月末まで
日本では平成25年4月からHPVワクチンの定期接種を行っていますが、接種後に全身の痛みや手足が動かしにくくなるなどの副反応の報告があり、同年6月から各自治体での積極的勧奨は控えられていました。接種の効果が副反応のリスクを上回ることが認められたため、市は令和4年4月から接種機会を逃した人を対象にキャッチアップ接種を勧めています。詳しくは、市ホームページで確認を。右下コードからアクセス可。※二次元コードは本誌またはPDF版をご覧下さい。
対象:平成9~18年度生まれの女性
接種期間:来年3月末まで
その他:対象者には、市からはがきを送付しています
問合せ:健康づくり課
【電話】65-0065
■INTERVIEW
性交関係を持つ前に接種を子宮頸がんのワクチンは「感染症予防」のものであり、その他のワクチンは「重症化予防」のためのものです。このことから、子宮頸がんは、唯一ワクチン接種で予防できるがんです。HPVに感染してからでは、ワクチンの効果を得ることができないので、性交関係を持つ前からワクチン接種することを推奨しています。
ワクチン接種は1回すれば終わりではなく、回数を重ねるごとに免疫が付き、効果は上がります。最大で3回接種することができ、その効果は90パーセント以上といわれています。国内でこの4年間にワクチン接種後の有害事象の報告はありません。
接種を希望される場合は、ご家族と相談してワクチンの効果などを調べてから接種してください。
舞鶴医師会 会長 隅山医院 院長 隅山充樹さん
担当:健康づくり課
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