「出水期」を迎え、各家庭での備えが求められるなか、素早い避難行動を取りにくく、心身ともに負担を感じやすいとされる妊婦や乳幼児を抱える家庭では特に、災害発生時の状況を想定した確かな備えが必要です。また、防犯対策やプライバシーの確保など、女性ならではの困りごとに対応した備えを考えることも大切です。いざというときに安全・安心な行動を取ることができるよう、この機会に、自身や家族を守る「我が家の備え」について考えてみませんか。
■避難バッグの準備を
チェックリストを活用し、女性や子育て家庭ならではの備蓄品を考えてみましょう。
※出典:「あかちゃんとママを守る防災ノート」(春名めぐみ、吉田穂波監修)をもとに作成
・母子健康手帳、健康保険証
常に携帯し、大切なページはクラウドに。
・オムツ、お尻拭き
お尻拭きは、体を拭く際にも役立ちます。
・ガーゼ
歯の汚れを落としたり、顔を拭いたり…。乳児の世話に何かと使えます。
・授乳用ケープ、ミルクセット
日ごろの授乳方法に合わせて準備しましょう。
・スプーン、紙コップ、キッチン用ラップ
コップで少しずつ飲ませる方法もあります。
・抱っこひも
避難の際や、避難所で両手が使えるように、抱っこひもが便利です。
・非常食、離乳食
母乳やミルクで代用したり、大人の食事を取り分けることもできます。市販の離乳食を備えておくと安心です。
・ビタミン剤
災害時はビタミン類が不足し、口内炎になりやすいので、サプリメントを用意しておきましょう。
・着替え、靴、防寒具
抱っこして避難する際にも、歩けるようになった子どもには靴を履かせておくと良いでしょう。
・おもちゃ
使い慣れたおもちゃがあることで、心のケアにもつながります。
・防犯ブザー、ホイッスル
いざという時のために常に持ち歩き、寝る時もそばに置いておくと良いでしょう。
・中身の見えないゴミ袋
使用済みの生理用品の廃棄のために、用意しておきましょう。
・生理用品、ビデ(※)
使い慣れた生理ナプキンや、生理用ショーツはあると便利です
※デリケートゾーンを洗浄するケア用品
※詳細は本紙またはPDF版をご覧下さい。
■子育て経験のある女性防災士さんに聞きました
民生児童委員や自治連合会役員として地域の防災活動に関わるなか、女性ならではの視点を活動に生かそうと、防災知識や技能の習得を認証する「防災士」の資格を取った、本市在住の木谷絵美さん。20代の頃に阪神・淡路大震災を経験したことがきっかけで、防災への意識が高まったといいます。自身も3人の子どもを育て「災害時に家族を守るにはどうすべきか」を考え続けてきた木谷さんに、話を聞きました。
◇環境変化 準備を
避難生活が始まると、子どもに我慢を求めるのは難しいものです。子どもが小さい頃は、食べ慣れているお菓子や好きなおもちゃを用意しておき、環境が変化してもできるだけストレスなく過ごせるよう、準備しておくと良いでしょう。
◇保存食 日常に
備蓄しているレトルト食品を、賞味期限が近づいた時に食べる「備蓄ごはんの日」を作るのもお勧めです。買い足す習慣ができるし、最近はおいしい保存食も出ているので、家族で楽しみながら、防災について考えることができます。
◇周囲の理解 不可欠
ただでさえつらい避難生活ですが、妊娠中の女性や幼い子どものいる家族には、特に配慮が必要です。当事者が自身で備えを考えることも大切ですが、周囲もその大変さを理解し、助け合うことが求められると思います。
担当:人権啓発推進課
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