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森林整備でつなぐ西山の未来(2)

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京都府長岡京市

■西山の森林整備に携わる人たちの中から、西山森林整備推進協議会の会員であり、市内で唯一林業を営む西田林業のお2人に話を聞きました。

●都市近郊の山をもっと身近に感じられるように
西田林業 西田浩之(にしだひろゆき)さん

○放置される前に手を付けることが大事
人が山に入る機会の減少や、持ち主が自分で管理できる面積には限界があることなどから、森林に人の手が入らないのは仕方がないことでもあります。しかし、水源や生物の多様性をもたらしてくれる森林は、私有地であっても公共性・公益性が高く、整備は必要です。山へのダメージを考えると、一度に整備できる面積には限りがあるので、手が付けられなくなる前に計画的に取り組むことが大事です

○竹林の整備は他の樹木を守ることにつながる
竹が水をよく吸うので、周りに生えている樹木は十分な水分を得にくくなります。竹が成長すると日光がさえぎられ、他の樹木の成長を妨げることに。放置竹林は、人の手が入らないと、周りの森林を侵食してしまいます。竹林の整備も一度に広範囲はできないので、1か所整備を終えるのに数年かかることもあります。

○地元にも豊かな自然があることを伝えていきたい
新しい山を整備するとき、山の状況は持ち主から聞くことが多いのですが、長岡京市ではNPOの人などから聞くことが多いです。それだけ山や自然を大切にしている人が多いからだと思いますし、特徴的な地域性だと思います。
キャンプなどの屋外レジャーを楽しもうと思ったら、まず遠くの観光地が候補に挙がるという人も多いはず。でも、地元にもこんな自然豊かな山があることを知って、足を運んでほしい。それだけではなく、今後は私たちが出向いて、まちの中で森林を感じてもらえるようにしたいと思っています。山が日常の背景から、もっと皆さんと関わりのあるものになる、そんな提案をしていきたいです。

●地元にある自然の魅力を知ってほしい
西田林業 市嶋航(いちじまこう)さん

○水も竹も大事地域ならではの竹林整備を
「水源の森を育てる」という思いで取り組んでいます。竹が森を減らしているという状況もあるので、これからも竹林整備は続けていかなければと思っています。竹を枯らすだけなら薬をまけば早いのですが、水への影響を考えて薬剤を使わない方法で整備するので、手間暇と時間がかかります。乙訓地方では、森林なのか竹林なのか分からない部分について、その境界を決める「線てき」という作業をしてきました。それが終わった後に、森林と竹林の住み分けをはっきりさせる「面てき」という作業をします。線てき整備は他の地域では行っていない手法で、タケノコを大事にしてきたこのまちならではの発想だと思います。

○西山の自然をもっと伝えていきたい
地元を離れていたときに「長岡京市ってどんなまち?」と聞かれることがあったのですが、「タケノコが特産」ということくらいしか答えられませんでした。あらためて考えてみると、地元の長岡京市についてよく知らない、タケノコを掘ったこともない、と気が付きました。それを機に地元に興味が湧き、何かできることがないかと思った結果、林業に行きつきました。仕事を始めて知った魅力ある西山の自然を、もっとたくさん人に伝えていきたいと思っています。

●約40%が整備済み!
皆さんの尽力のおかげで、長岡京市の森林面積786haのうち、延べ329ha(41.9%)の整備が完了しました。日の光が差す明るい森林が、だんだんと戻ってきています。

■森林整備の推進には、税金が生かされています
○森林環境税
森林整備の推進や、担い手不足などの課題を解決するための財源として、令和6年度から課税される国税です。年1,000円が個人住民税に併せて徴収されます。

徴収した森林環境税を国が市町村や都道府県に交付

○森林環境譲与税
森林整備の推進を目的に令和元年度に創設され、令和6年度からは森林環境税を財源に、各自治体に交付されます。長岡京市は森林環境譲与税をしっかりと活用して、森林整備の推進に取り組んでいます。

問合せ:農林振興課西山森林整備係
【電話】955-9687【FAX】951-5410

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