長岡京市が昨年度から本格実施している、とりこぼさない支援体制整備事業。相談者が生活の中で直面する困りごとを解決するために、相談者と支援者、そして支援者同士を「つなげる」ことに関わる人たちを取材しました。
そもそも「とりこぼさない支援体制整備事業」って何?
さまざまな機関が連携し横断的にサポートすることです
■3つの柱を軸に支援に取り組んでいます
複雑・複合化した支援ニーズに対応するため、これまでからあった介護・障がい・子ども・教育・生活困窮の相談支援などの取り組みを生かしつつ、関係機関や地域の皆さんと連携・協働することで課題解決を目指します。
(1)相談支援
分野を超えて専門職や機関が連携し適切な支援へとつなぐ
(2)参加支援
NPO法人や市民活動団体などと連携し、地域・社会とつなぐ
(3)地域づくり支援
人と人のつながりの基盤づくりを支援
■まずはご相談を。必要な支援につなげます
「どこに聞けばいいか分からない」「こんなこと相談してもいいのかな」というような悩みも、まずは福祉なんでも相談室へご相談ください。多分野にわたる内容はくらし連携担当が整理し、専門機関などと連携しながら解決へ向けてコーディネートしていきます。
○誰でも使える総合相談窓口
・福祉なんでも相談室
市役所新庁舎3階
【電話】955-3177
・総合生活支援センター
バンビオ1番館2階
【電話】963-5137
■インタビュー(1)
「相談者の抱える背景も踏まえ丁寧な支援で寄り添う」
市では、さまざまな事業を通じて支援に取り組んでいます。教育コーディネーターとして福祉と教育をつなぐ役割を担う岡花さんに、話を聞きました。
教育コーディネーター
岡花 秀樹(おかはな ひでき)さん
元神足小学校校長。退職後は市教育委員会で勤務し、教育支援センター所長も務めた。昨年から「教育コーディネーター」として、市地域福祉連携室に在籍。
○悩みは幅広く、多分野にわたる
窓口へ相談に来る人たちと接することになって、相談内容の幅広さに驚きました。人がいろいろな境遇で生きていく現実を目の当たりにし、あらためて「教育の責任」を考えました。人が真に生きる力を培ってこれただろうか、と。
教育と福祉は分野が分かれていますが、両方の面から一緒に考えていくことがとても大切だ、と、相談を受ける中で日々痛感しています。
○成長・発達を支援し子育てをサポート
相談者が抱える悩みは、連続性があって複雑に絡み合っています。そのひずみを、この事業でカバーしていけたらと考えています。
市では、妊娠・出産から学童期、義務教育以降…と、連続した成長発達を支援するため、さまざまな取り組みを実施しています。子どもの目線を追うことで、その子の持つ社会性の特性を見ていく取り組み「かおTV」。子どもの発達過程などを記録し、その子に関わる人々と共通理解を深めるツール「ながおかきょう“リンク・ブック”」。今年5月、バンビオ1番館に誕生した、教育と福祉の連携拠点「らしっく」など…。養育者が子育てを前向きに捉えていけるような支援にもなれば、と思っています。
○抱え込まないで相談してほしい
相談支援に関わるようになり、福祉制度の強みを実感しています。支援を受けるためには、まずどこかに「つながる」ことが必要。困ったことがあったら1人で抱え込まずに、相談してみてください。1人で何とかしようと思わずに、頼っていただけたら、と思っています。
▽支援ツールをご紹介
・[かおTV]画面に映る映像を子どもに見せ、何をどのように見たかを分析します。大阪大学と連携して実施しています。
・[ながおかきょう“リンク・ブック”]市ホームページからダウンロードできます。本紙右記QRからどうぞ ※QRコードは本紙参照
・[教育・福祉連携拠点「らしっく」]子どもの学びを支え、支援者が有効な取り組みなどを推進していく場として活用します。
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