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自治体の皆さまへ

《特集》私たちが伝える介護職(2)

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佐賀県伊万里市

■interview3 作業療法士
渡辺剛志(わたなべたけし)さん(ケアポート 楽寿園)
「趣味活動を取り入れて、楽しみながらリハビリができるところが魅力です」
Q.作業療法士の仕事内容を教えてください
作業療法士は、身体や精神に障がいのある人がその心身機能を回復し、日常生活や社会生活に復帰できるように、食事や着替えなどの生活に欠かせない行為の訓練などを行っています。国家資格で、食事や歯みがきなど、日常生活の動作、家事、遊び、スポーツといった作業などを用いて日常生活や社会復帰を支えるスペシャリストです。
リハビリでは、認知機能の予防や改善に力を入れていて、利用者それぞれの趣味活動を取り入れることで、楽しみながら取り組んでもらうようにしています。

Q.作業療法士になったきっかけを教えてください
高校生のときに進路を決める際『人の手助けをしたい』と思い作業療法士を目指すことにしました。
作業療法士は、利用者の趣味を生かしてリハビリを行うので、互いに楽しみながら訓練を進めることができるところが魅力です。

Q.作業療法士の大変なところは何ですか
国家試験に合格したからといって終わりではなく、働きながら自己研鑽を続けて、常に新しいことを学び続ける必要があります。

Q.作業療法士のやりがいを教えてください
利用者が訓練をして、できなかった日常生活の動作ができるようになり、本人やその家族から感謝されたときです。

Q.利用者と接するときに気をつけていることは何ですか
利用者一人一人に合ったコミュニケーションを心がけています。表情や声のトーン、話す速さ、ジェスチャーを交えるなど、工夫をしています。
また、利用者の気持ちに寄り添い、共感するようにしています。利用者の立場で考えて行動することが信頼関係を築くことにつながると考えています。

Q.作業療法士にはどのような人が向いていますか
『利用者と向き合いたいという情熱を持つこと』が1番大切だと思っています。そのほかにも利用者の気持ちに寄り添い、共感できることや、目標に向かって頑張ることができる人、忍耐力がある人です。また、記録などをしっかりと残す几帳面さや、ほかの職種の同僚と連携するため、コミュニケーションをきちんと取ることができる人です。

■interview4 言語聴覚士
久保(くぼ)みずほさん(小島病院)
「言葉のコミュニケーションや口から食事をとることを支える大切な仕事です」
Q.言語聴覚士の仕事内容を教えてください
言語聴覚士は『話す、聞く、食べる』のスペシャリストです。国家資格で、医師または歯科医師の指示をもとに、食べ物を飲み込むための嚥下(えんげ)訓練や発声、発音などの機能を回復するための訓練などを行います。
患者さんは、子どもから大人まで幅広く、人によって抱える問題はさまざまで、言葉によるコミュニケーションの問題は、失語症、聴覚障がい、言葉の発達の遅れ、声や発音の障がいなど多岐に渡ります。一人一人が抱える問題の原因を明らかにして対処法を見つけ出し、リハビリを通して症状の改善を図り、自分らしい生活を構築できるように支援します。
学校では、失語症などの勉強をする機会が多かったですが、今の職場では、高齢の患者さんが多いので、失語症に比べて、嚥下訓練などの需要の方が多くあります。

Q.言語聴覚士になったきっかけを教えてください
高校3年生の夏休みに、進路を考えようと進路の資料室に行ったとき、パンフレットを見て興味を持ちました。

Q.言語聴覚士の大変なところは何ですか
患者さんの中には、上手く話すことができなくて、コミュニケーションを図ることが難しい場合があり、そのときは気持ちをくみ取ることが難しいです。ほかにも、患者さんが口から食事をとることができないことを意見として医師に伝えるときなどは、患者さんの気持ちを考えるとつらくなります。

Q.言語聴覚士のやりがいを教えてください
コミュニケーションを図ろうとしてくれなかった人が、少しでも話そうとしている姿を見たときです。また、患者さんの笑顔や口から食事がとれなかった人が回復して、元気に退院していく姿を見るとうれしくなります。

Q.利用者と接するときに気をつけていることは何ですか
患者さんの尊厳を守ることを大切にしています。患者さんは、高齢で認知症を患っている人が多くいますので、言葉遣いには気を遣っていますし、人生の先輩だと思って接しています。
また、リハビリの最初と最後には必ずあいさつをするようにしています。聞こえていても返事ができない人もいますが、あいさつは欠かさないようにしています。

Q.言語聴覚士にはどのような人が向いていますか
身体だけでなく、心も弱っている人が多いので、相手の気持ちを想像できて、思いやりの気持ちを持てる人が向いていると思います。
また、患者さんによっては、予想できない行動をすることなどもあるため、臨機応変に対応できる力があると良いと思います。

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