■高齢者の気持ちを考える
総人口に占める65歳以上の割合は『高齢化率』と呼ばれ、高齢化の度合いを示す指標として使われます。伊万里市の高齢化率は33・8%(9月1日現在人口)で、平たく言うと市民の3人に1人が高齢者ということになります。
人は年齢を重ねるほどに身体機能や認知機能が低下しますが、社会貢献への意欲や能力が衰えるわけではありません。私たちの身の回りにも、地域のボランティア活動や子育て世代への支援など、重要な役割を担う高齢者の姿があります。このことからも分かるように、豊かな経験と知識を持つ高齢者は、かけがえのない社会の構成員なのです。
近年、アクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故や介護のストレスによる虐待など、高齢者を取り巻く悲しいニュースが増えています。これらの問題は、運転免許証返納後の移動手段を確保するための不安や、高齢者夫婦世帯の増加に伴う老老介護など、高齢化によって生じるさまざまな社会の課題を浮き彫りにしていると言えます。
高齢者が安心して暮らせる社会を実現するためには、社会全体で取り組むことが重要です。難しく考える必要はありません。大切なことは『高齢者の気持ちを自分に重ねて想像する』ことです。人は誰しも年齢を重ねます。あなたも未来の高齢者であることを忘れてはいけません。
高齢者の能力や可能性を決めつけず、私たち一人ひとりが、今ある社会の課題を未来に残さないための努力をすることが、高齢者が安心して暮らせる社会の実現につながっていくのです。
※このコーナーは、隔月のシリーズで掲載しています。これを手がかりに、家庭で人権・同和問題について話し合ってみましょう。
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