■上映会でバリアフリーを考える
市民図書館では、二つの上映会を行っています。ひとつは毎月第3水曜日に『昼さがりの映画会』、もうひとつは三か月に一度、日曜日に開催している『サンデーシネマ』です。いずれの上映会も170インチの大画面で映画を楽しむことができます。
4月と5月の『昼さがりの映画会』では、視覚・聴覚に障がいを持つ人と、その周りの人たちをあたたかく描く作品を上映します。また、5月19日開催の『サンデーシネマ』では、音声による解説と、セリフや場面の説明が字幕で表示されるバリアフリーの形で上映を行い、どなたでも映画を楽しめます。観覧は無料で、事前予約も必要ありません。皆さん、ぜひ来場してください。
▽生きる希望の物語『桜色の風が咲く』
日時:4月17日(水)14時〜
松本准平/監督
小雪/田中偉登/ほか/出演
113分 2022年
9歳で失明、18歳で聴力も失いながら、盲ろう者として東京大学の教授となった福島智さん。そんな智さんと、彼を育てた母・令子さんの姿を、実話をもとに描き出す『生きる希望』の物語です。
▽第94回アカデミー賞作品賞受賞『コーダあいのうた』
日時:5月15日(水)14時〜
シアン・ヘダー/監督
エミリア・ジョーンズ/ほか/出演
112分 2022年
CODA(コーダ)とはChild of Deaf Adultsの略語で『聾(ろう)の親を持つ子ども』の意味。両親と兄の4人家族の中で1人だけ耳が聞こえる高校生のルビー。家族のために彼女は幼い頃から『通訳』となり、家業を毎日手伝っていました。歌の才能を見出だされたルビーは音楽大学への進学を薦められますが…。
◆バリアリー日本語音声ガイド・バリアフリー日本語字幕入りで上映します
▽第75回カンヌ国際映画祭カメラドール特別表彰『PLAN75』
日時:5月19日(日)14時〜
早川千絵/脚本,監督
倍賞千恵子/磯村勇斗/ほか/出演
112分 2022年
少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本で満75歳から安楽死を選べるという生死の選択権を与える制度『プラン75』が施行された世界で、人々が最後に見出す答えとは。『生きる』という究極のテーマを全世代に問いかける衝撃作です。
■読書の『壁』をなくしましょう
伊万里市民図書館 館長 鴻上哲也
だれでも、いつでも、どこでも、何でも、自由に本が読めるというのは、実は当たり前のことではありません。
ひとたび大きな災害や戦争が起きれば、本すら手に入りませんし、感染症が広まれば図書館も休館します。
また、目の前に読みたい本や、聴きたいおはなしがあっても、視覚や聴覚、発達・知的・肢体不自由などさまざまな障がいや、高齢や病気による視力の低下、さらには遠隔地や経済的な理由など、読書を妨げる『壁』が私たちの周りにはたくさんあります。
これらの『壁』をなくしたり、低くしたりすることが『読書バリアフリー』と呼ばれるもので、今回紹介していますように市民図書館でも率先して進めています。
また、このことは障がいのあるなしにかかわらず、すべての市民の読書環境や学習環境を整えることにもつながります。
私たちが、いつ読書が困難になっても、読むこと・聴くことをあきらめないで済む社会を作っていきましょう!
問合先:伊万里市民図書館
【電話】23-4646
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