■メタボリックシンドロームと糖尿病
市では、メタボリックシンドロームや予備群の人が増えています。メタボリックシンドロームをそのままにしておくと、高血圧症や脂質異常症、糖尿病につながり、さらには、脳卒中や心臓病、腎臓病を引き起こします。
◆グラフ メタボリックシンドロームの該当者と予備群(国民健康保険)
◆ココが、ポイント!自分では気付かないうちに当てはまっていませんか
お腹周りの内臓に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満に加えて高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上を併せもった状態を『メタボリックシンドローム』といいます。腹囲(へその高さ)が男性85cm、女性は90cm以上あれば、メタボリックシンドロームの入り口に立っている状態です。
メタボリックシンドロームの最大の原因は、内臓に脂肪がつく内臓脂肪型肥満なので、まずは、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣を改善して、内臓脂肪を減らすことが大切です。
◇やっかい者の『悪玉サイトカイン』
メタボリックシンドロームから糖尿病になる人が多くいます。これは『悪玉サイトカイン』という物質が影響しています。メタボ基準の一つであるBMI(※1)の数値が25以上になると、脂肪細胞から『悪玉サイトカイン』が出やすくなります。
血液中の糖の量は5~7gに保たれていますが、食事をすると、食物(糖)が血液中に入ってくるため、膵臓で作られるインスリンというホルモンを使って糖の量を調整しますが、このインスリンの働きを悪玉サイトカインが邪魔します。膵臓は、糖を下げるためにインスリンを出し続けると疲れてしまい、機能が低下し、糖を下げきれなくなりますが、このことが糖尿病につながります。
HbA1c6.5%以上の人(※2)は糖尿病の疑いがあります。佐賀県は糖尿病の人の割合が全国ワースト1位となっていて、県内20市町のうちでは、伊万里市は12番目に高い割合になっています。
(※1)BMI(ビーエムアイ)は、ボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。
(※2)HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1〜2か月間の血糖値の平均を反映する血液検査の一つです。血糖の高い状態が続くと、HbA1cの値が高くなります。
◆グラフ 令和3年度特定健診受診者のHbA1c6.5%以上の人の割合(国民健康保険)
◆ココが、ポイント!重症化を予防することが大切です
HbA1c6.5%以上で糖尿病が疑われます。HbA1c7%以上になると、合併症が見られるようになり、HbA1c8%以上になると、重症化する可能性が高くなります。
糖尿病は、心血管疾患のリスクを高め、放置すると神経障害や網膜症、腎症、認知症などの合併症を引き起こし、人工透析や失明に至るなど生活の質を著しく低下させるだけでなく、医療費が増加するなどして、生活に大きな負担をかけることになります。このような事態を招かないためにも、重症化を予防することが大切です。
■一人当たりの医療費
国民健康保険でみると、市民一人当たりの医療費が増加しています。全国や佐賀県と比べても高い値になっています。
また、健診を受けていない人は、受けた人よりも医療費が5倍近く高くなっていることが分かっています。
◆グラフ 国民健康保険の一人当たりの医療費
◆ココが、ポイント!まずは健診を受けることから始めましょう
健診を受けることで、生活習慣病のリスクをどのくらい持っているのか知ることができ、また、病気が早期に発見できることから、重症化を予防することや、医療費を抑えることにつながります。
まずは、健診を受けることから始めましょう。
■令和6年度の健診について紹介〜まずはここから始めましょう〜
◆集団健診の予約方法
電話での予約:【電話】23-2110(平日の午前8時45分〜午後5時)
インターネットでの予約:(土日祝日含め、24時間受け付けています)
※ネット予約はこちらから(本紙2次元コード参照)
詳しくは、4月に配付する『健康診査のチラシ』で確認してください。
予約開始:4月30日(火)
◆令和6年の健診(検診)内容
※表内の年齢は、すべて令和7年3月31日現在です。料金の欄の『ー』は、検査を実施していないことを表しています。
問合先:健康づくり課健康推進係
【電話】22-3916
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