認知症について知ってもらおうと、令和3年と5年に、認知症についての特集記事を掲載しました。
3回目の今回は『認知症基本法』について紹介します。
国が、5月に公表した『認知症高齢者数』の推計では、認知症高齢者数は2060年には645万人に達し、高齢者の17・7パーセント(約6人に1人)と見込まれています。
市の高齢化率は、国や県と比較して高く推移していて、認知症は決して『他人事』ではありません
◆高齢化率の推移
資料:総務省国勢調査(各年10月1日時点)
◆地区別高齢者数と高齢化率
出典:市HP人口統計(R6年4月1日時点)
市全体 高齢化率33.7%(総人口51,939人 65~74歳:8,372人 75歳以上:9,115人)
■『認知症基本法』とは
『認知症基本法』の目的は「認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができるよう、施策を総合的かつ計画的に推進する』ことです。
そのうえで、国民の理解の促進、社会に参加する機会の確保、医療や福祉サービスの提供体制の整備、認知症の人や家族などの相談体制の整備など8つの項目を基本施策に掲げています。
これは、認知症に関する正しい知識と認知症の人に関する正しい理解を深めることが国民の責務であり、共生社会の実現に向けて、生活に密着する民間企業などにおいても、自主的に取り組んでいかなければならないというメッセージを国が発信したものです。
自治体は、認知症の人や家族などから意見を聞いたうえで計画を策定することが努力義務になっています。
市は、令和6年度からの伊万里市第6次高齢者福祉計画及び第9期介護保険事業計画に認知症の正しい理解を深めるための普及啓発などの支援策を盛り込んでいます。
■『共生社会の実現』に向けて
『認知症基本法』は、認知症の人のみならず、周囲の人が認知症に対する理解を深め、地域社会で支えていくことが重要であり、認知症の人だけではなく、その家族などについても安心して暮らせるような社会を作ることを重要視しています。
市は、認知症を学び地域で支える活動として、地域の人や学生などを対象に『認知症サポーター養成講座』を行っていて、昨年度は10団体(322名)が受講しました。認知症サポーター養成講座は市の『出前講座』のメニューになっていますので、ぜひ利用してください。
■認知症を理解することが大切なわけ
皆さんは、なぜ認知症を理解することが大切だと思いますか。
それは、認知症の特徴を『知っている』のと『知らない』のとでは、関わり方に大きな違いが生じてくるからです。
認知症はいつ、誰がなるか分からない病気です。そして、認知症の人やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、地域の人や事業者が、認知症に対する正しい知識を持ち、認知症やその家族を深く理解し、知ることが大切です。
このことは、大人のみならず、将来を担う子どもたちも同じで、市民全体で考えていく必要があります。
認知症の本質的な特徴は、社会環境や生活状況、人との関わり方で影響を受け、症状が良くも悪くもなります。だからこそ、皆で支え会う社会を、この基本法に沿って作っていく必要があります。認知症のない地域はありません。『他人事』から『自分事』として考えていきましょう。
◆認知症予防には運動!
『百歳体操』は、市内69箇所(令和6年4月時点)で実施されています。
百歳体操は、一人ではなかなか続かない運動でも、地域ぐるみで取り組むことで人とのつながりを通じて楽しく継続することができ、閉じこもりや認知症予防に効果があります。
自宅近くで行われている百歳体操を見学に行ってみませんか。
◆高齢者相談窓口
▽地域包括支援センター
地域包括支援センターは、介護や福祉に関する高齢者の総合相談窓口です。
認知症や介護に関する相談、介護予防に向けた取り組み、消費者問題に関する相談などに、関連機関と連携しながら対応しています。相談は無料です。
問合先:伊万里市地域包括支援センター
【電話】23-2122
▽在宅介護支援センター
在宅の高齢者とその家族の相談・助言・公的保険福祉サービスなどのお手伝いをしている5つの拠点です。
住んでいる地区によって、担当している施設が分かれていますので、左のポスターなどで確認してください。
相談は無料です。
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問合先:伊万里市地域包括支援センター
【電話】23-2122
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