■「唐津の記念物」(23)
~唐津の史跡・名勝・天然記念物~
◇外園(ほかぞの)古墳(市史跡)
外園古墳は、唐津平野の南、松浦川東岸の夕日山から北に延びる低い丘陵の先端に位置し、周辺には触角式有柄銅剣(しょっかくしきゆうへいどうけん)が出土した柏崎(かしわざき)遺跡などの弥生時代や古墳時代の遺跡が多数点在しています。
墳丘(ふんきゅう)径10.4m、高さ2.4mの円墳で、横穴式石室を備えており、遺体を納める玄室(げんしつ)は長さ3m弱、幅2mの大きさです。石室の奥壁(おくへき)と左右の側壁(そくへき)の三方は花崗岩(かこうがん)の巨大な一枚岩で構築され、天井石には花崗岩の扁平(へんぺい)な巨石が2枚使用されています。昭和32(1957)年に東亜考古学会による調査が行われ、滑石製(かっせきせい)の勾玉(まがたま)が1点出土し、石室内には箱式石棺(せっかん)と考えられる石組が検出されています。
外園古墳は7世紀代の古墳と考えられていましたが、石室内部の壁面に赤色顔料が塗られていることや、玄室入口部分に大きな段差があり玄室床面が低くなっていることなどの古い様相も併せ持っているため5世紀代にさかのぼる可能性もあり、築造年代が明確になっていない謎の多い古墳です。
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