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唐ワンくんの唐津今昔物語147

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佐賀県唐津市

「唐津の記念物」(29)
~唐津の史跡・名勝・天然記念物~

谷口(たにぐち)古墳 谷口古墳は、浜玉町谷口の城山(じょうやま)(標高377m)から南西に延びた尾根の先端部に築かれた全長77m以上の前方後円墳です。後円部に砂岩製の長持形石棺(ながもちがたせっかん)を安置した東西2つの石室(せきしつ)があり、前方部に舟形(ふながた)石棺(せっかん)が埋納(まいのう)されています。
明治42(1909)年、地元住民により後円部の東西両石室が発掘され、銅鏡(どうきょう)や碧玉製石釧(へきぎょくせいいしくしろ)、勾玉(まがたま)、管玉(くだたま)などの副葬品が発見されました。その後、西石室は長持形石棺を墳丘(ふんきゅう)上に安置して埋め戻され、東石室は発見時のまま保存されていました。
石室の規模は、西石室が3.16m×1.85m、東石室が2.95m×1.6mで、両石室とも玄武岩(げんぶがん)の割石(わりいし)を使用し、側壁(そくへき)の中ほどから持ち送り状に積み上げ、全体に赤色顔料が塗布(とふ)されています。また、石室内に置かれた長持形石棺は、古墳の規模にしては豪華で、副葬品とともにこの時期の古墳を代表するものとして、全国から注目を集めました。
しかし、その後東石室側壁のゆがみが大きくなったため、本格的な保存修理工事を行い、現在の姿になっています。このとき同時に発掘調査も行っていて、その結果この古墳の石室は、前方部側に入口をもつ竪穴系横口式(たてあなけいよこぐちしき)石室であることが判明し、朝鮮半島からの墓制(ぼせい)の伝(でん)ぱとその変遷(へんせん)を知るうえで、非常に重要な位置を占めることが分かりました。
また、出土した円筒埴輪片(えんとうはにわへん)などから、同様の石室を持つ古墳の中で、現段階ではこの古墳が最も古いもの(4世紀後半頃造られたもの)であることが明確になりました。

出土品は、東京国立博物館に保管されていますが、浜玉公民館歴史資料室で、復元された石室と出土品のレプリカを見学することができます。
※写真は21ページをご覧ください。

問合せ:生涯学習文化財課
【電話】72-9171

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