文字サイズ
自治体の皆さまへ

差別と命、平和 について考える

15/35

佐賀県唐津市

8月は佐賀県の「同和問題啓発強調月間」です。同和問題についての正しい理解と早期解決を目的に、県と市町が連携してさまざまな啓発事業を集中的に行っています。
同和問題について話をしていると「部落差別はまだあるのですか?」という質問や「私は同和問題なんて気にしませんから」といった感想を聞くことがあります。本当に気にしなくて済むほど、同和問題はなくなっているでしょうか?
今年の3月、三重県知事がある一人の公立学校教員に、差別をやめるよう促す「説示(せつじ)」を行いました。この教員は、土地を買う契約をしたあと、その場所が同和地区にあることが分かったとして、取り引きした業者に契約解除を要求していました。また、インターネット上では「部落探訪」と称した動画をYouTube(ユーチューブ)に公開した事例で、運営のGoogle(グーグル)社が、ガイドライン違反として同動画を一斉削除しています。
「差別する人がいるから、差別がある」という言葉があります。差別する人がいなければ、差別は存在しませんが、もし「自分は差別されることはない」と思っているのであれば、それは間違いです。差別や人権侵害は多くの場合「多数派から少数派」または「強者から弱者」への言動として表れるものです。女性や子ども、高齢者、障がいがある人、部落差別といったいくつもの人権課題に、自分は当てはまらないと考えるのは明らかに間違いです。
小説「橋のない川」とその映画の原作者、住井(すみい)すゑ(え)さんは、95歳で亡くなるまで、差別や命について訴えを続けてきました。代表的な言葉に「大切なのは命、地球の命はみな平等」という一節があります。人権を考えるうえで最も大切なのは一人ひとりの命であり、その命の重みは分け隔てなく平等であるという意味です。果たして現実はその言葉どおりだと言えるでしょうか?
日々のニュースでは、世界で繰り広げられている戦争のありさまが伝えられています。ロシアのウクライナへの侵攻で始まった戦争は、いつ終わるのか分からない様相です。また、ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘でも、多くの民間人が犠牲になっています。
この2つの戦いで共通しているのは、病院や学校、住宅、難民キャンプまでもが攻撃対象になっていることで、生活に重要な電力や石油施設も狙われています。これが攻撃の効力を上げるための手段であることは明らかです。
こうした惨状を見るにつれて、いかに戦争が弱者を犠牲にし、兵士が戦いの道具として扱われているのを思い知らされます。ひとときも早くこの悲惨な戦いが終わって、大切な命を守る世界であってほしいと願っています。

問合せ:生涯学習文化財課
【電話】72-9159

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU