■「やさしい日本語」
「やさしい日本語」という言葉をご存じですか?難しい言葉や表現を言い換えた、簡単で分かりやすい日本語のことです。歴史的には、1995年の阪神・淡路大震災の反省から始まりました。外国人住民の被災率が、日本人住民より3倍近く高かったというデータから、どんな言語で緊急対応すればよかったのかを調査したところ、英語でも中国語でもなく、やさしくした日本語が一番通じたという研究結果が出たことからきています。多くの日本人は、外国人は英語で話をしなければと思っているようですが、たとえば、佐賀で暮らす外国人は、ベトナムが一番多く、次いでインドネシア、ネパールと続き、母国語が英語圏ではない国の人が多いのです。また、法務省が調査した結果によると80%以上の外国人が、日本語で会話ができると答えています。
「迅速に」「正確に」「簡潔に」伝えるために考え出された「やさしい日本語」は災害時だけでなく、普段のコミュニケーションにも使われるようになりました。上手く活用することで、外国人だけでなく、子どもや高齢者、障がいのある人など、さまざまな人に分かりやすく伝えることができます。
何が「やさしい」のか、相手のことを考えていろいろ試しながら、お互いコミュニケーションがとれる方法を見つけたいものです。大事なのは、ちょっとした工夫と、相手を思いやる「やさしい心」です。
社会教育指導員 野中(のなか)
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