◆動脈硬化症
日本人の死因の1位は悪性腫瘍(ガン)、2位が心疾患(最近、特に心筋梗塞が増えている)、3位が脳血管疾患です。心疾患と脳血管疾患を血管の病気とみなして、それを合わせると、1位の悪性腫瘍とほぼ同じ割合になります。人間は血管の病気かガンのどちらかで亡くなっていると言えます。
◇動脈硬化症促進リスク
血管が詰まったり、破れたりする原因の多くは動脈硬化症(血管が硬く、もろくなる)がベースにあるからです。加齢とともに動脈硬化症は進んで行きます。
前の2回の診療所だよりで取り上げた脂質異常症や、そのほかに高血圧、糖代謝異常(糖尿病)、喫煙、性差(同じ年齢なら男性が女性より動脈硬化症が進んでいる)なども、動脈硬化症促進リスクです。これらのリスクを多数持つと血管疾患発症の危険性がより高くなります。加齢と性差だけはどうしようもないことですが、なるべくこれらのリスクを少なくすることが健康で長生きのために大事なことです。
◇久山町スコア
将来(10年以内に)、あなたが動脈硬化性疾患を発症する危険性がどれぐらいあるか知りたくありませんか? その危険度を予測した久山町スコアというものがあります。興味がある方は、パソコンやスマートフォンで、“久山町スコア”で検索してみてください。
久山町スコアによれば、50歳代の男性で先ほどのリスクをすべて持っていれば10年以内に10%以上で血管疾患を発症すると予測されます。それらの危険因子を全く持っていなければ、2%未満です。
なお、私は現在70歳代後半で、特に危険因子はありませんが、ほぼ高リスク群に入ります。年齢が高くなれば、それだけで近い将来に血管疾患の発症が高いということです。当然なことでしょうね。
国民健康保険脊振診療所 牛島 幸雄
問い合わせ:
〒842-0201 神埼市脊振町広滝555番地1【電話】59-2321
<この記事についてアンケートにご協力ください。>