文字サイズ
自治体の皆さまへ

ひろげよう人権の輪

12/39

佐賀県鹿島市

■ホームレスの人々への差別や偏見をなくそう
『ホームレス』という言葉を聞いて、皆さんはどんな印象を持たれるでしょうか?おそらく、仕事も住む所もない人たち、なまけた人や努力が足りない人たちといった、マイナスイメージを持たれる人もいるのではないでしょうか。しかし、そのイメージは本当に正しいのでしょうか。
令和5年4月の厚生労働省『ホームレスの実態に関する全国調査』によると、全国のホームレスの数は3,065人で、今から20年前の平成15年より22,000人以上少なくなっています。これは、国の政策による景気回復が順調に進み失業者が減少したことや、自治体や民間団体などによる各種の支援活動の充実が大きな要因です。また、平成14年8月に施行された『ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法』が2度の延長を経て、令和9年まで継続されるなど法的な整備が行われていることも、大きな効果をもたらしています。
このように統計からみると、確実にホームレスの数は減少しているように見えますが、実際の状況はどうでしょうか。都市部では、シャワールームやインターネット利用可能な複合カフェを活用するホームレスが増えています。その実数は把握できておらず、数千人に上ると推測されます。
私たちは、ホームレスの人々を見かける機会が少ないために、その実態をよく知らないと思います。このような人たちの中には、失業者ばかりではなく、病気や障害のためであったり、高齢であったり、いかんともしがたい理由で働けなくなった人も含まれています。
それにもかかわらず、先入観やイメージで判断してしまうと、不当な差別や偏見、嫌がらせや暴力などの人権侵害をしてしまう恐れがあります。正しい知識を知らない、または知ろうとせず、思い込みだけで自分たちとは違う人たちを排除しようとすることが差別や偏見につながるのです。
ホームレスの人々を、境遇や生活状況によって差別することは、その人々の自由権や生存権などの基本的人権を脅かすことにつながり、絶対にあってはならないことです。すべての人が安心して暮らすためには、正しく知ることが必要です。偏見を持たずに、寄り添う気持ちを持つことから始めてみましょう。

〔受賞者紹介〕人権標語の紹介
令和4年度小中学校『人権標語』入賞作品を紹介します。
※詳細は本紙をご確認ください

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU