皆さんは、通勤、通学、買い物などの移動の際、何を利用していますか。マイカー利用の増加や全国的な人口減少が進み、公共交通の利用者が減少しています。さらには交通事業者のドライバー不足が問題になるなど、公共交通を取り巻く環境は厳しくなっています。
丹波市においても、路線バスや鉄道、デマンド(予約)型タクシーなどの公共交通が運行していますが、マイカーで移動する人が多く、それが減便につながり、利用者がさらに減少する悪循環になっています。公共交通は、学生や運転が難しい高齢者などにとっては貴重な移動手段であり、観光・交流や賑わいづくり、まちづくりにおいても重要な役割を担っています。
私たちにとって大切な移動手段である公共交通を未来に残すため、何ができるかを一緒に考えてみませんか。
■知っておきたい公共交通利用の4つのメリット
◇環境に優しい
ひと1人を1キロメートル運ぶのに排出される二酸化炭素は、バスであればマイカーの半分以下、電車であれば約7分の1で済みます。また、マイカー利用の抑制で渋滞の緩和にも役立ちます。
◇健康の増進
歩く距離が短いマイカーに比べ、公共交通を利用すると、バス停や駅からの移動で歩く機会が増えて日常的に運動量が多くなります。
◇事故のリスクの回避
普段から運転する人は生涯(50年)のうちで100人中64人が人身事故を起こす可能性があると言われています。一方、公共交通は交通事業者が運転するため、安全性が高く、加害者になることもありません。
◇コスト削減
マイカーを維持するには、車の購入費用のほかに、ガソリン代や車検代、保険料などの費用が必要ですが、公共交通では主に運賃のみです。
■information
◇交通系ICカードICOCAを活用しよう
市内のバス、鉄道、デマンドタクシーの料金の支払方法は現金のほか、ICカードなどが利用できます。なかでも、ICOCAは共通して利用可能で、スムーズな移動に役立ちます。
◇丹波市公共交通ガイド「てくてくたんば」を活用しよう
市内の公共交通の利用方法や時刻表などは、「てくてくたんば」を確認ください。毎年3月に最新版を発行しています。
■[路線バス]利用者がV字回復 路線も充実へ
遠距離・大量輸送ができる路線バスは、広域な丹波市の基幹交通ネットワークとして重要な移動手段です。一時利用者数が年間4万人台まで減少していましたが、丹波医療センター開院に伴う路線再編や、高校生への通学定期券補助などにより、一部の便では立席が出るなど、利用者数は15年前と同水準の年間約13万人にまで回復しました。また、学校統合による小学生の遠距離通学者への通学支援としての活用も期待されています。
◇路線再編で市中心部へ乗り入れ
現在、市内を走るほぼすべての路線バスが丹波医療センターに乗り入れています。また、多くの路線でゆめタウンやコープ柏原に乗り入れているほか、鉄道の各駅の発着時間とも合うように可能な限りダイヤを調整されています。
◇朝夕は通学手段で大活躍
柏原~青垣路線では、高校生への通学定期券購入補助などにより、高校生の利用が大幅に増加しました。令和5年4月からは統合した山南中学校の通学にも活用されています。
●路線バス運行の社会実験を実施
令和6年4月~7月の間、春日・市島地域で社会実験を行います。市内で唯一路線バスが走っていない市島地域から市中心部へつなぐ路線で、同地域から医療センターへの直接乗り入れのほか、利用者が減少傾向にある野瀬線の利便性向上と、市島地域美和地区の今後の通学支援についても検証を行います。
○「野瀬発バス路線」運行本数増
中学生、高校生の通学需要の掘り起こし
○「美和地区」路線新設
小学校統合後の通学支援
○「市島地域から春日地域春日部地区経由市中心部行き」路線新設
丹波医療センターまでの直行便
●[interview]リラックスして通学できる
氷上高校2年生 足立刻仁(ときと)さん
高校1年生の時に地元のバス路線が復活し、自宅近くにバス停ができたので、通学に駅まで利用しています。路線バスがないと、親に送迎してもらうか、自転車で1時間以上かけて通学することになります。路線バスだと、車内で友達と話したり、仮眠したり、リラックスして通学できます。下校時には時間が合わないことがあるので、もう少し便数が増えると良いなと思います。
問合せ:ふるさと定住促進課(本庁舎内)
【電話】88-5360
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