元日に発生した「令和6年能登半島地震」。多くの方が犠牲となり、家屋やインフラ設備が被害を受け、被災地では避難生活を余儀なくされています。いつ起こるかわからない地震。あなたは、いざというときの「備え」が本当にできていますか?
今年の元日、衝撃的な報道が私たちの耳に飛び込んできました。能登半島で震度7の大地震、5mを超える津波が予想される「大津波警報」の発令。テレビでは「今すぐ逃げること!」と、アナウンサーの普段とは異なる強い口調で避難を呼びかける緊急放送に、地震の恐怖を再認識させられました。翌日には、映像などから、阪神・淡路大震災に匹敵するとされる大地震の被害の大きさが明らかになりました。
被災地では、インフラ設備が広範囲にわたって被害を受けたことで、復興には相当の時間がかかることが予想されています。また、被災者にとっても、能登半島の厳しい寒さのなかで、避難生活が長期化し、健康被害が懸念されています。
突如発生する地震に対して、私たちはどう向き合うべきなのでしょうか。自分自身や家族、近所の人などの大切な命を守るために、どのような『備え』をしておくべきなのか、いま一度考えてみましょう。
◆その時あなたがとるべき行動は―
◇地震発生
自分や家族の命を守る
・落ち着いて、身の安全を確保する→まずはシェイクアウト(※詳細は本紙をご覧ください)
・海や山の近くにいる人はすぐに避難する
◇1~3分
・家族の安全を確認する
・窓やドアを開けて、逃げ道を確保する
・すばやく火の始末をする、出火時は初期消火
・けがをしないように靴をはく
・必需品や非常用持ち出し袋を手元に用意する
◇5分
・家屋が倒壊する恐れがあれば、すぐに避難する
・テレビやラジオ、携帯電話などで情報を確認する
・電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を閉める
◇10分
地域を守る
・隣近所の安全を確認する
・周囲の人と協力して救助や消火を行う
◇避難生活
みんなで助け合う
・引き続き余震に警戒する
・生活必需品はできるだけ自分自身の備蓄でまかなう
・できるだけ災害情報や被害情報を収集する
・壊れた家には入らない
・避難所では集団生活のルールを守る
◆『非常用持ち出し袋』は準備できていますか?災害の「備え」チェックリスト
・水(人数×3リットル/人×3日分)
・食品(最低3日分)(ご飯(アルファ化米など)、レトルト食品、ビスケット、チョコ、缶詰など)
・防災用ヘルメット・防災ずきん
・衣類・下着
・レインウェア
・ひもなしの靴
・懐中電灯(※手動充電式が便利)
・携帯ラジオ(※手動充電式が便利)
・予備電池・携帯充電器
・マッチ・ろうそく
・救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など)
・使い捨てカイロ
・毛布
・軍手
・洗面用具
・歯ブラシ・歯磨き粉
・タオル
・ペン・ノート
・携帯用トイレ・簡易トイレ
感染症対策:
・マスク
・手指消毒用アルコール
・石けん・ハンドソープ
・ウェットティッシュ
・体温計
一緒に持ち出しましょう:
・貴重品(通帳、現金、パスポート、運転免許証、保険証、病院の診察券、マイナンバーカードなど)
子どもがいる家庭の備え:
・ミルク(キューブタイプ)
・使い捨て哺乳瓶
・離乳食
・携帯カトラリー(フォーク、スプーンなど)
・子ども用紙おむつ
・お尻ふき
・携帯用お尻洗浄機
・ネックライト
・抱っこひも
・子どもの靴
女性の備え:
・生理用品
・中身の見えないごみ袋
・防犯ブザー/ホイッスル
高齢者の備え:
・大人用紙パンツ
・杖
・補聴器
・介護食
・入れ歯・洗浄剤
・吸水パッド
・デリケートゾーンの洗浄剤
・持病の薬
・お薬手帳のコピー
参考:首相官邸ホームページ
◆自分たちの命は自分たちで守る「わが町を知る」ことが『備え』
1月20日にさよう文化情報センターで、「佐用町防災リーダー研修会」を開催しました。令和2年に熊本県球磨村(くまむら)の防災管理官として、災害の初期対応から復旧・復興のために尽力されている中渡さんに『備える』大切さを伺いました。
◇自主的な行動が生死の境に
令和2年7月に、梅雨前線による集中豪雨で、村を流れる球磨川が氾濫し、大きな被害を受けた熊本県球磨村。8時間にわたり線状降水帯による激しい雨が降り続き「こんなに雨が降り続くとは、夢にも考えていなかった」と中渡さんは話します。
球磨村の住民は、自分たちの住む場所が、災害が発生する危険性が高いことを理解していましたが「このくらいなら大丈夫だろう」「この堤防は超えないだろう」と、避難が遅れ、命がけで避難をしたという人もいたそうです。中渡さんは「生死の狭間の中で住民たちの葛藤があった。避難の最終基準を住民自らが判断し、行動したことが、生死を分ける要因となった」と当時を振り返りました。
◇明るいうちに、動けるうちに、聞こえるうちに
中渡さんに、今すぐできる『備え』とは何かを伺ったところ「まずは、自分の住む町、自分の住む場所が、どのような地形にあり、どういった危険性があるかを知ること。そして、災害が起こりそうなときは、明るいうちに、動けるうちに、防災無線が聞こえるうちに避難することが大切です」と訴えます。「球磨村では『全村民が避難について考える日』を設け、住民の意識改革に取り組んでいます。この『考える』ことが『備え』への第一歩」と教訓を伝えてくれました。
◆今すぐできる「備え」
◇『ハザードマップ』をくまなくチェック‼
全戸に配付している『ハザードマップ』には、身の回りにどのような災害が起こりうるのか、災害が起きたときにどのような行動をとるべきなのかをまとめています。
今一度、内容を読み、家族みんなで避難場所を確認するなど、防災意識を高めておくことが重要です。
※インターネットでもチェックできます
◆対象かどうかご確認ください
◇住まいの「耐震化」を補助します
町では、昭和56年5月以前に建てられた住宅で、簡易耐震診断の結果が、一定以下の評価をされた住宅の建て替えや改修をする場合に、最大130万円の補助をしています。
住宅の「耐震化」をお考えの人は、建設課までお問合せください。但し、申し込みは4月以降にお願いします。
問い合わせ:建設課 道路河川管理室
【電話】82-2019
◆能登半島地震兵庫県義援金を募集しています
募集期間:4月15日(月)まで
募集方法:義援金箱を設置しています
設置場所:町の各公共施設及び町社会福祉協議会の各施設
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