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特集2:子どもをたたいてしまう前に ~家庭児童相談~(2)

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兵庫県加古川市

■専門の立場から児童虐待を防ぎ、子育てを支援する人に話を聞きました。
●保健師 加藤さん
○児童虐待を予防します
保健師は家庭訪問や電話相談などを行い「乳幼児の発育状況は順調か」とか「保護者の様子はどうか」といったことを保健師ならではの視点で確認します。
保護者の不安定な状態が子どもに影響する場合があり、保護者の負担を減らすのは大切なことです。援助が必要な家庭を早期に発見し、必要なら「ショートステイ」など支援サービスの活用を促すこともあります。保護者を支えて安心・安全な家庭の環境を作り、児童虐待を予防します。

○体罰はしつけにならない
体罰は法律でも禁止されています。しかし、今でもしつけのためだと体罰を正当化してしまう保護者もいます。たたかれた子どもはトラウマ(心的外傷)となって、心身にダメージを引き起こし、その後の成長発達に悪影響を及ぼすのです。体罰によらない子育ての方法を提案します。

○一緒に考えましょう
乳幼児期は泣くことでしか自分の気持ちを表せません。意思疎通が図れず、あらゆる世話を必要とします。そんなときの子育てを一人で抱え込むのは大変です。心に余裕がないと正常な判断ができず、子どもに当たってしまう可能性があります。まずは、保護者が休息を取って、周りやいろいろな支援サービスを頼ってほしいです。よりよい子どもへの関わり方を一緒に考えていきましょう。

●子育てストレスチェック
・家事や仕事に追われてゆっくりする時間がない
・家族が家事や育児に協力的でない
・愚痴を言える親しい人がいない
・どちらかというと我慢する方だ
・思い通りにいかず、イライラすることが多い
・最近食欲がない、または過食気味である
・最近寝つきが悪い、または日中眠くなる
・子どもを褒めるより叱ることが多い
・よその子やきょうだいと比べてしまう
・子育てが楽しくない、しんどいと感じている

5つ以上当てはまった人は、子育てストレスが高い状態です。できるだけ早く誰かに相談するか、ストレスを軽減する行動をとるようにしましょう。

●公認心理師 細見さん
○心理面からサポートします
公認心理師は児童虐待に対して主に二つの役割があります。一つは子どもの発達状況を見て心理面での分析を行うことです。分析結果を基に保護者に対して子どもへの関わり方をアドバイスし、心理面からどのような支援が必要かを考えます。もう一つは保護者からの相談に応じることです。さまざまな悩みを抱えながら子育てをする中で、そのストレスのはけ口が児童虐待という形で現れる場合があります。困りごとを解決できるよう、小さな目標を立てて一緒に取り組んでいきます。

○けんかを見せるのも虐待になる
児童虐待の中でも多いのが暴言などの心理的虐待です。あまり認識されていないかもしれませんが、子どもがいる前で夫婦げんかを見せることも心理的虐待に当たります。子どもは身体的な暴力を受けたのと同様のストレスを感じ、脳機能の低下など発育面での悪影響が明らかになっています。

○子どもを見る角度を変える
「子どもが言うことを聞かない」「叱る」という関わり方よりも、「子どもの良いところに注目する」「褒める」という関わり方を増やすと、子どものやる気や意欲が高まるだけでなく、親子関係がもっと楽に、楽しくなっていきます。見方を変えるのは簡単なことではありませんが、誰かの見守りや励ましがあると続けやすくなります。まずは相談してください。「自分も子どもも大切にする子育て」という視点で、具体的な子どもへの声掛けや気持ちのコントロールの仕方、ストレスの軽減方法などを提案します。

●イライラしたときの対処法
子育てはなかなか思うようにいかないものです。こんな方法を試してみてください。
1.その場をいったん離れて外の空気を吸う
2.鼻で吸って口から吐く深呼吸をする
3.お風呂に入る、散歩、音楽鑑賞、横になるなどリラックスする行動をとる
4.独り言でもいいので、落ち着いたら自分の気持ちを声に出してみる
5.イライラの原因を書き出してみる(自分が何にイライラしていたのか、客観視できると気持ちが落ち着いてきます)

■子育て支援サービス
○子育て家庭ショートステイ
親の病気や仕事などで、18歳未満の子どもの養育が一時的に困難となった場合やリフレッシュしたいときなどに、市の指定している児童福祉施設などに子どもを預けることができます。
料金:
2歳以上…1日当たり最大2,750円
2歳未満…1日当たり最大5,350円
※利用料は世帯の課税状況などにより異なります。
くわしくはこちら(※本紙参照)

○産前・産後家事ヘルパー
「家事を手伝ってほしい」「上の子を見ていてほしい」など、保護者在宅の下、家事ヘルパーが調理や掃除などの手伝いや育児の補助を行います。
対象:母子手帳の交付を受けてから産後12カ月までの家庭
料金:1時間当たり最大550円
利用時間:午前7時~午後7時(1日当たり2時間まで)
※利用料は世帯の課税状況などにより異なります。
くわしくはこちら(※本紙参照)

他にも利用できるサービスがあります。家庭支援課までお問い合わせください。

■相談先
○家庭支援課
【電話】427-3073
月~金曜日午前8時30分~午後5時15分
※年末年始を除く。電話・窓口、どちらでも相談できます。

○親子のための相談LINE(兵庫県)
無料通話アプリ「LINE」で家庭や子育ての相談ができます。匿名での相談もでき、秘密も守られます。
月~金曜日午前10時~午後8時※年末年始を除く。
くわしくはこちら(※本紙参照)

問い合わせ:家庭支援課
【電話】427-3073

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