文字サイズ
自治体の皆さまへ

病院通信

36/59

兵庫県多可町

■一病息災
内科・総合診療科第2部長 中村 和史

2月と言えば節分。
節分は「季節の節目」を意味し、立春・立夏・立秋・立冬と、それぞれの季節が始まる前日を指します。そして、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられていたことから、それらを追い払い、無病息災を願う行事として4つの節目のうち立春の前の日の節分のみが広く残ったそうです。
私自身も京都にいた頃、2月3日の夜と言えば、年越し前の社寺と同じくらい大賑わいとなる吉田神社の節分祭に家族で出向いていました。
さて、この節分にちなみ、医師としての私の視点から、息災でいるための(豆まきではない)方法について、ほんの少しお話してみたいと思います。
糖尿病をお持ちなら、無病ではなく一病にはなりますが、基本の食事・運動療法に加え、必要に応じて薬物療法を取り入れるなど、うまく付き合うことで適切に糖尿のコントロールが可能です。また、普段の通院が、他の病気についても調べる機会となり、早期発見のきっかけになります。まったく別の例ですが、最近発表された論文に、介護をしている高齢女性と介護に関わらない同条件の女性を対象に、死亡割合について比較した場合、介護をしている人の死亡率が、介護をしない人に比べて9%低いとの報告がありました。これは、介護をしている人には元気な人が多いためとの考えがある一方、介護で知り得た知識が、自身の健康管理にも役立つためとの考察もあります。これは、心身ともにストレスが多い介護者の余命は、介護に関わらない人に比べて短いという大方の予想に反した結果です。
そこで、私からの提案です。どうぞ、「鰯の頭も信心から」と思ってお聞きください。持病があっても息災であるために、その持病への理解はもちろん、自分の健康さらには持病以外の病気についてもほんの少し今以上に関心を持ってください。そうすることでピンチはチャンスにきっと変えられます。
また、その際には私たち医師をうまく使うことをお忘れなく。どの先生も、任せきりよりそんな貴方をきっと歓迎されるはずです。そんなキャッチボールの出来る関係が一病息災(ひいては無病息災)の輪をさらに広げていくことでしょう。

問合せ:多可赤十字病院
【電話】32-1223(代表)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU