■「頻尿」について
多可赤十字病院 泌尿器科部長 武市 佳純
▽夏場は十分な水分摂取を
夏場になると、発汗量が多くなり、尿量が減少する傾向があります。頻尿の人は良くなったように思われがちですが、水分摂取量が減少すると、脱水や脳梗塞等の危険性が高くなるので注意してください。
▽尿量と残尿について
「尿は出ていますか?」との質問に、「良く出ている」と答えられる人には、尿量が多い人と排尿回数が多い人がいらっしゃいます。
一度に全量が排出されれば良いですが、少量しか排出されずに残尿がある人もいます。残尿があると、腎臓および膀胱に負担がかかり、細菌繁殖も増加します。
膀胱の容量は300~400ml程度で、150~200mlで尿意を感じます。水分を摂取すると、腎臓で生成された尿は5分以内に膀胱に排泄されます。最低限界尿量は500ml/日と言われています。尿量が少ないと濃縮尿となり、尿路結石の発生の原因にもなります。
▽頻尿の原因と治療
頻尿の原因は膀胱炎などの尿路感染症や、前立腺肥大症、前立腺癌などの下部尿路疾患、過活動膀胱や脳疾患などによる神経因性膀胱などがあります。
尿路感染症の治療は、抗生物質を投与しますが、抗生物質はすべての細菌を殺すものではありません。抗生物質は、一般的に抗生剤や抗菌剤と呼ばれています。
前立腺疾患の場合、それに応じた治療法をしなければなりません。神経因性膀胱など膀胱機能が低下している場合は、清潔間欠的自己導尿を指導する場合もあります。
深刻な病気を引き起こす前に、特に夏場は水分摂取に十分努めてください。
お悩みがありましたら、当院泌尿器科を受診ください。
問合せ:多可赤十字病院
【電話】32-1223(代表)
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