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特集 SDGsの取り組みPICKUP (株)ソーイング竹内/足立織物(株)(3)

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兵庫県多可町

■R5.12 ひょうご産業SDGs認証ゴールドステージ認証 株式会社ソーイング竹内
ソーイング竹内は、縫製加工業として1982年に設立。エプロンやミトンなどのキッチンファブリック、バッグ、服飾雑貨の縫製などを手掛け、近年では地域産の質の高い生地を使い、縫製技術を活かしたオリジナル商品の製造販売にも力を入れています。経営ビジョン「New Nu Company~人と想いを縫い合わせ新たな価値を創造する~」を掲げ、縫製加工業として培った技術・経験・ネットワークを礎に「ものづくり」だけに限らず、様々な取り組みを通して、「人」とのつながり、その「心」を大切にし、地域や社会へ貢献できる会社を目指しています。

◆広報からのヒトコト
ソーイング竹内の従業員の皆さんは、毎日出勤後に事務所を掃除されています。掃除する場所も、ローテーションを組んで「今日は○○の場所」と決めて実施しているそうです。
皆さん嫌な顔一つせず清掃されていました。私たちも見習って日々の生活や仕事場の掃除をしていきたいと思いました。

◆ー縫製の火を絶やさないー
常務取締役 営業統括 竹内孝佳さん
常務取締役の竹内孝佳さんは、18歳で入社し、勤続42年。従業員からの信頼も厚く、日々会社のために尽力しています。
「入社当時は環境が悪くて、人が少ない、冷暖房がない、会社もゴミ屋敷状態で、もう辞めようと何度も思いました。
でも、今の社長が入社してから、みんなで話し合って『働きたい』と思える職場環境を目指しました。今は働きやすくなって、従業員も増えました。」
SDGsの取り組みも、竹内常務が第1歩を踏み出しました。
「仕事がなくて暇な時に、事務所や会社周りの溝掃除などを始めました。他にも、ガソリンや電気の使用記録をつけたり、裏紙を使ったり。コツコツ続けたことがSDGsに当てはまり、今、会社にとってプラスになっています。」
今年で60歳を迎える竹内常務。取締役は退きますが、社員としてまだまだ目標に向かって突き進みます。
「『縫製』の火を消したくない。高齢化で人材の確保が難しくなるが、外国人の雇用など、さまざまな手を尽くして、これからも縫製工場として継続していくことが目標です。」

◆従業員さんの声
▽藤本京子さん
とても働きやすくて良い環境です。生地の持ち運びは大変だけど、助け合って女性でも活躍できる職場です。

▽岸本恵さん
社員さんが率先して毎日掃除してくださるので、きれいな職場で気持ちよく仕事ができます。みんなの仲が良くてすごく働きやすいです。

▽宇治宮妙佳さん
建物がとてもきれい。仕事も優しくサポートしてくださる。子育てしながらでも働きやすい環境です。

◆Pick up ソーイング竹内 SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS
▽コロナ禍でのマスク寄贈
コロナ禍でのマスク不足を受け、令和2年5月に多可町へ寄贈いただきました。

▽災害時の事務所施設の利用
糀屋と「災害時における事務所の施設利用に関する協定」を締結し、有事の際は緊急避難所として地域住民の安全を確保。
「事務所には、太陽光パネルと蓄電設備が設置してあるので、停電時も安心ですね。」

▽近隣エリアの清掃活動
月に1回、会社周辺のゴミ拾い、草刈り、用水路の掃除などを約20年継続して実施。
「気温が高い中、社長と常務が率先して用水路の掃除を実施していました。」

▽キャリア教育への支援
社員研修や多岐に渡る講義を実施。次世代を担う若手への教育支援を行なう。
「今ブームのNISAとiDeCoの研修や支援も実施されています。」

▽女性の活躍推進
女性が働きやすい環境を整備。また、産休・育休の確保・周知を行い、子育て等で離職した女性従業員の復職も支援。
「元々、男性しか出来なかった裁断場の仕事もシステム構築等で女性が活躍できる場に!」

※詳しくは、本紙をご覧ください。

■代表取締役 竹内 裕児さん 営業部課長 笹倉 清明さん
竹内「ゴミを片付けることから始まった。
継続してきたから今があります。」

ソーイング竹内は、清掃活動や廃棄生地のアップサイクル推進など、さまざまな取り組みを行っており、令和5年12月に『ひょうご産業SDGs認証事業』の第1回認証企業ゴールドステージに選ばれました。なんと、選ばれた企業はたったの6社。最先端を走るソーイング竹内ですが、『SDGs活動をしよう』と取り組んだのではなく、約20年前から社員と共に行ってきた活動がSDGsに該当しました。

▽社員一人一人が意識をもって働く
社員の皆さんは、自分たちの考えで行動し、掃除なども率先して行っています。
竹内「社長が一番嫌な仕事をしていると、周りがそれを見て自然とそういう意識を持ってくれるようになりました。」
笹倉「上の人間ほどアクティブに動く背中を見せてくれる。ぼくたちはそれに負けないような動きや考えを持たなければという意識が自然と生まれました。」

▽こだわりが詰まった建物
竹内「若い世代を自分たちの手で育てよう、働きやすい職場環境を作ろうという思いで、意見を聞きながら事務所や倉庫を建てました。」
太陽光パネルや蓄電装置の導入で、自家発電で工場稼働ができ、さらに災害時に避難所として活用できる仕組みや、好きな音楽が聞ける音響設備、清潔でおしゃれな内装・外観など、社員の意見を採用したこだわりの建物です。
笹倉「「工場」というと暗い・汚いというイメージですが、工場らしくない。地域外の人にはカフェに間違えられることもありますよ。」

▽課題
竹内「今は働きたいとオファーをもらえますが、人口減少による働き手不足が必ず起こる。会社を継続していくために、地元雇用を優先しながら、海外の人の力も借りていきたい。また敬老の日発祥のまちとして、シルバー人材も活用したい。いろいろな想定をして、積極的にトライしていきたいです。」
笹倉「『子ども未来プロジェクト』と題し、元プロ野球選手を講師に招いた野球教室なども開催しています。子どもたちが大人になって、地元でこんな取り組みをしていた企業があったと思い出して帰ってきてくれたら、活動が活きてきます。地域に根ざした取り組みを行い、多可町の未来につなげたいです。」

▽さらなる高みを目指して
笹倉「恵まれない環境でやってきた過去があるから今があるということを、社員に伝えていきたい。ふとした時に思い出してもらえるように。」
竹内「SDGsが最終目標値ではなく、さらに高みを目指します。『世界のスタンダード』を意識し、できないことはせず、できることを確実にやる。守るもの継承するものを次世代に伝えながら、会社としても人としても退化しないように、という思いを常に意識していきたいです。」

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