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人権一口メモ No.271

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兵庫県太子町

◆障害は社会の問題?

障がいにはさまざまな考え方があり、正解があるわけではありませんが、一つの考え方として、「障害とは、個人ではなく社会の側にある」という考え方があります。例えば、車椅子の利用者がお店に入る際に、入口までの間に階段があり、中に入れないとします。それは、「歩けない」という個人の機能に問題があるからではなく、階段や段差を「障害・障壁(バリア)」と捉え、その要因によりお店に入ることができないという考え方となります。当然、バリアには、物理的なものや心理的なもの、制度的なものなど、たくさんあります。
障がいのある人々が日々直面している問題としては、生活環境の使いにくさ、就業に関する差別、教育機会への差別など、社会的な要因によるものが多く挙げられます。そして、これらは私たち一人一人の意識と行動により改善することが可能であり、その行為は正に「人権の尊重」と言えるでしょう。
人権は、一人一人の尊厳と自由を守るための基本的な権利です。しかし、社会的な偏見や理解の欠如から、その尊厳や自由が侵害される事案も少なくありません。
2016年、神奈川県相模原市で発生した障がい者施設の無差別殺傷事件は、社会に大きな衝撃を与えました。この事件は、私たちに、障がいのある人に対する否定的な思い込みや差別が、どれほど深刻で悲しい結果を招くのかを痛感させた出来事でした。
この事件からも、障がいのある人々が直面する問題についての理解を深め、身近な環境から変えていくことが、強く求められます。設備のバリアフリー化だけでなく、心のバリアフリー化が実現しなければ、真の多様性社会と包摂性社会を実現することはできません。
人権は、個々の存在だけでなく、社会全体が関わっているものです。この問題に社会全体として真剣に取り組み解決することは、障がいのある人々だけではなく、誰にとってもより良い社会の実現につながります。社会の一員として、自分には何ができるのか。改めて自身に問い直したいですね。

問合せ:社会教育課

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