皆さんは、日本が「座り過ぎ大国」であることを知っていますか?世界20カ国で調査した結果、平日の座位時間が平均5時間に対し、日本は7時間で、20か国中1位の「座り過ぎ大国」となっています。
■座り過ぎが病気を招く
長時間の座位は、血流や代謝を低下させ、心筋梗塞、脳血管疾患、肥満、糖尿病、認知症などの病気の危険性を高めます。また、座り過ぎは体の健康を損なうだけでなく、うつ病など精神面にも影響することが分かっています。
■解決策は立ち上がること
全自動洗濯機、ロボット掃除機などの登場、職場でのメールやチャットのやり取りの増加、手元のリモコン操作で済む家電の普及といった「便利な生活」と引き換えに、座っている時間は長くなっていませんか?
「ジムで運動をしているから大丈夫」と思う人もいるかもしれません。もちろん、運動は健康のために非常に大切なことです。しかし、どれだけ運動をしても、座り過ぎ自体を見直さないと、せっかく運動で得られた効果も座り過ぎで相殺することになります。
座り過ぎによる病気の危険性を下げるために一番簡単な解決策は、「座り続けず、こまめに立つ」ことです。1日の座っている時間が同じでも、連続で座っているか、頻繁に立ち上がり休憩を入れているかで健康状態への影響に違いがあることが分かっています。できれば、30分に2~3分、少なくとも1時間に5分は休憩をとり、少し体を動かしましょう。
例えば、
・トイレに行く
・肩や首を回したり、ストレッチをしたりする
・飲み物を入れに行く
・家族に用があるときは、歩いて呼びに行く
仕事中などで休憩を取れないときは、座ったままかかとの上げ下げをしたり、膝を伸ばして足を上げたりするなど、座ったままふくらはぎや太ももの筋肉を動かしましょう。
必ずしもハードな運動をする必要はありません。まずは、立ち上がり、軽いストレッチや少し歩いてみることを心がけてみましょう。
■プラス10分のウォーキングで病気を防ごう!
自分自身が1日に何歩歩いているかご存知ですか?
座る時間が長い日本人ですが、歩く歩数も減少しています。令和元年の国民健康・栄養調査の結果では日本人の1日あたりの平均歩数は男性6,984歩、女性5,832歩となっており、平成28年の調査から男女とも1日約200歩減少しています。「たった200歩」と思われるかもしれませんが、平成15年の調査と比較すると男性約700歩、女性は1,000歩近く減少しています。
成人・高齢者 歩数別の病気などの予防効果
※12,000歩以上は健康を害することもあるので、無理は禁物です。
表を見ると、1,000歩から2,000歩増えるごとに予防できる病気が増えていることが分かります。1,000歩を歩くのにかかる時間はたった10分です。普段の歩数から10分歩く時間を増やすだけで、今より予防できる病気が増える可能性があります。これから暖かくなり、外を歩きやすい季節になります。今よりほんの少し時間をとって、歩いてみてはいかがでしょうか。
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