6月16日~21日、アクリエひめじをメイン会場として世界銀行(GFDRR、東京防災ハブ)主催の国際会議「防災グローバルフォーラム2024」が開催されました。6日間で100以上の会議が開かれ、135カ国から防災に携わる政府や地方自治体、企業、NGOなどの関係者、学術関係者ら約1700人が参加。自然災害に伴うリスクや、防災・減災活動などについて議論を交わしました。
■阪神・淡路大震災30年に向けアジア初開催
さまざまな国の人が集まり、防災について理解を深めるとともに、姫路で日本文化に触れました。
■公開シンポジウム 文化遺産と自然災害
◇持続可能な未来のための姫路からの教訓
・名古屋市立大学 千田嘉博さん
・姫路市長 清元秀泰
・世界銀行主任都市専門家 アーメド・エイワイダさん
姫路城などの文化遺産が持つ価値の維持と、自然災害に着目した公開シンポジウム。姫路城の維持管理や防火対策、熊本城の災害復旧作業等に触れながら、文化遺産の価値継承のための課題について議論が行われました。
■市長ラウンドテーブル 都市の強靭(きょうじん)化
・ルイサ・サルゲイロ市長
・ハディアント・ラシッド市長
地震や津波、液状化で甚大な被害を受けたインドネシア・パル市のハディアント・ラシッド市長、防災やSDGs、環境等の分野で先進的な取り組みを行っているポルトガル・マトジーニョ市のルイサ・サルゲイロ市長らと清元市長が、人口の多い都市部での防災対策等について話し合いました。
ラシッド市長は、自国の災害で子どもや女性が厳しい状況に置かれたことに触れ、災害時のジェンダー平等について言及。サルゲイロ市長は自市で行われている土地の吸水力に着目した都市計画や、海岸の砂の性質変化等のデータの収集・共有など、自然科学的なアプローチを紹介しました。清元市長も、日本や本市の防災対策について紹介しながら、激甚化する災害に対して、被害想定のデータをアップデートして災害対応計画を立てることの重要性等を語りました。
■姫路城スタディツアー
参加者は姫路城の防災対策に関する動画を見た後、歴史や構造等について現地で説明を受け、文化遺産の歴史的価値を体感しました。
■姫路市防災センタースタディツアー
参加者は防災センター内の防災プラザ等を見学。本市の防災体制や防災教育について職員から説明を受けました。
■フォーラム参加者の声
フランスから参加したクリストフ・レルボグさん
▽フォーラムに参加した感想は?
29年前の阪神・淡路大震災のニュースを見たときのことが忘れられなくて、ぜひ来てみたいと思っていたんだ。数々の経験に基づいた日本の防災対策は、世界でトップレベルだと思う。
▽姫路の街の感想は?
駅を降りてすぐに美しい城が目に飛び込んできて、驚いたよ。街並みも美しく、素敵な街だね。
■県立姫路商業高等学校 地域創生部の皆さん
防災グローバルフォーラムに合わせて開催された「高校生防災サミット」に、宮城県石巻西高等学校、岡山県立総社高等学校、兵庫県立舞子高等学校の生徒らと共に参加。
4校で作成した「宣言書」を開会式で世界に向けて発信したほか、能登半島でのボランティア活動や災害食の開発等の取り組みを発表しました。
▽今までの活動・苦労した点は?
防災や減災のための活動に取り組んでいます。活動を始めたばかりの頃は、知名度の低さからイベント出展を断られたこともありましたが、地道に活動を続けるうちに協力者が増え、活動の場も広がりました。今回のサミットに参加できたことは、本当に貴重な経験です。
▽今後の活動の予定は?
私たちが開発した災害食のパンの缶詰「ふわ姫パン」の試食会やHUG(避難所運営ゲーム)の体験会、防災講演会のほか、企業と連携した取り組みも行う予定です。防災活動で、地域社会のつながりを強められるのではないかと考えます。
※詳しくは本紙でご確認ください。
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