■生徒たちが安心できる教室に
川西南中学校校長 株本 一男さん
○生徒に合わせて学びの機会をつくる
「生徒一人一人に合った学びの場をつくり、学習機会の場を守っていきたい」
そう話すのは、川西南中学校の校長・株本一男さん。同校では、4年前から空き教室を利用して「若葉学級」として不登校支援を開始。しかし、当時は専門の支援員などがいなかったため、適切なサポートができませんでした。
令和4年度からは、市内の全7中学校、5年度は全16小学校に校内サポートルームとして支援員が配置されています。
○生徒を支え安心できる教室に
同ルームに、支援員が配置されたことで、生徒たちの居場所だけではなく、学びの場としても活用できるようになりました。
「校内サポートルームができるまでは、自分の居場所として利用してもらっていました。しかし、学校は学びの場。生徒に寄り添う支援員を配置し、多様な学びの機会をつくることが必要でした。現在、支援員は一人一人の生徒の心のケアをしながら、個々に応じた学びのサポートを行っています。その結果、3年生の中には通常の教室に戻ることができた生徒も。学校として不登校支援が、大きく前進していると考えます」
一方で、同ルームを運営する上で必要なこともあると株本さん。
「校内サポートルームを利用する生徒の中には、人とのコミュニケーションを取りたいと思っていても、実際は取ることが苦手な生徒もいます。今後、彼らの気持ちに寄り添って支えていくことが必要です」
○生徒への理解を深め学級づくりを充実させる
同ルームを利用することで、自分の居場所として利用したり、本来のクラスに戻ったりするなど、生徒たちが望む形で後押しができればと株本さん。
「私たち教員や支援員が生徒への理解を深め、『一人の人間として大切にされている』と実感できる授業づくりや学級づくりを充実させることが必要です。生徒自らが、自分の意志と判断で進路を決めることができるようにサポートしていきます」
■校内サポートルームとは
さまざまな事情で教室に行きたくても行けない子どもたちが、自分のペースで安心して学びを進められる居場所のこと。令和4年度から市内全7中学校に、5年度から市内全16小学校に設置し、専任の支援員を各校に配置しています。
○設置の目的
・学びの場における選択肢を増やす
・生徒に関わる人を増やす
○活動内容例
・問題集などを使用した自主学習
・タブレットを使用してオンライン授業に参加
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