■自分のペースで働ける居場所をつくる
スパイスカレーミルズ 経営者 久木田郁哉さん
○働きづらさを抱える人の居場所をつくりたい
「働きづらさを抱えた人たちも自分のペースで社会とつながる、居場所ができる、そんな取り組みができればと思っています」
そう話すのは、市内でスパイスカレーミルズなど複数の飲食店を経営する久木田郁哉さん。「職業体験実習」の受け入れ事業者として自身が経営する店舗で、職業体験者を受け入れています。
「都会は良い意味でも悪い意味でも忙しいです。寂しそうな人がいても、互いに声を掛ける余裕がないことも多いと思います。でも、川西に戻ってきたら時間がゆっくり使えて、余裕がある。それなら、都会の忙しいリズムが合わないとか、働きづらさを抱えた人が、できる範囲で社会と関われるような場所をつくりたいと思ったんです」
○職業体験者を受け入れる工夫とメリット
職業体験者の中には急に休む人もいて、他のスタッフからは不満の声が出ることも。
「始めはその人が来なくても仕事が回るようにスケジュールを管理します。全く休まない人もいるし、そこは体験中にある程度見極められると思いますね。接客が難しそうなら、裏でできる仕事にしたり、その人の特徴を見て振り分けたりしています」
工夫は必要だが、良い点もあると久木田さん。
「受け入れを始めてから約2年がたちますが、何人かは職業体験を卒業して、通常の雇用契約で働いています。週1・2回の人が多いですが、地元の人だと長く働いてくれる傾向がありますし、人材確保にもつながっています」
○それぞれにあった居場所が増えていけば
久木田さんはさまざまな事業者に受け入れ事業者になってほしいと話します。「それぞれの店舗で職業体験者を受け入れていますが、続かない人もいます。でも、飲食業に向かなくても、他の業種なら続くかもしれない。もっと体験先の選択肢が増えて、働きづらさを抱えた人それぞれにあった居場所がいくつもできたらいいですね。これからも事業所に限らず、働きづらい人でも社会とつながれる活動や場所を提供していきたいです」
■職業体験実習とは
さまざまな理由で、就労ができない生活保護受給者や生活困窮者に、就労のためのサポートを行う川西市就労準備支援事業。
職業体験実習は同事業で実施する支援策の一つで、働きたいけれど人間関係が苦手、能力に自信がない、社会経験が少なくて不安といった人が、自信を取り戻せるよう受け入れ事業者の元で職業体験を行う制度です。
■受け入れ事業者を募集
職場体験希望者の受け入れが可能な事業者があれば、登録をお願いします。詳しくは市ホームページへ。
問合せ:生活支援課
【電話】072-740-1173
<この記事についてアンケートにご協力ください。>