■町の文化
9月23日、道の駅において麒麟獅子舞フェスタが開催されました。岩美町からは浦富麒麟獅子舞保存会、智頭町から芦津子ども獅子舞の会が、地元からは三尾、居組、千谷の各麒麟獅子舞保存会が参加しました。また、特別出演として歌長太神楽も出演し、伝統芸能を披露しました。
かつて、獅子舞は一年に一度の祭りの日だけに見ることができました。稔りの秋を祝って、獅子が村中を回りました。
■麒麟獅子舞日本遺産に
令和元年5月に鳥取県東部と新温泉町と香美町の1市6町の麒麟獅子舞が日本遺産に認定されました。これを機に各麒麟獅子舞保存会の活動がこれまで以上に活発になり、祭りでしか見ることができなかった獅子舞が、色々なイベント会場で見ることができるようになりました。
現在、町内では、浜坂、居組、諸寄、福富、和田、三尾、七釜、栃谷・田君、千谷の計9つの麒麟獅子舞保存会があり、それぞれ活動しています。
■文化庁が認定
昨年12月、新温泉町の文化財保存活用地域計画が文化庁の認定を受けました。
文化財は、大きく分けて有形文化財(建造物や美術工芸品)、無形文化財(音楽や工芸技術など)、民俗文化財(年中行事や民俗芸能、慣習等とそれに使用する道具類)、記念物(遺跡、名勝地、動植物など)、文化的景観、伝統的建造物群といった6種類に分類することができます。今回の計画では、これらの他に言い伝えや食文化なども、地域のつながりや伝統が形となったものとして「文化財」に含めています。
■文化財・2926件
現在、町には合計2926件の文化財が確認されています。そのうち、国指定文化財が4件、国登録が5件、県指定が28件、県登録が3件、町指定が73件の計113件の指定等文化財があります。
指定・登録文化財の制度は、対象となる文化財の価値を認定し保護する制度です。指定・登録を受けた文化財は、修繕などを行う際に補助金等の支援を受けることができます。新温泉町では、この春から新たに登録文化財制度を創設しました。
■文化人輩出と顕彰
新温泉町出身の文化人として、書の宇野雪村、歌人の前田純孝、日本画の立脇泰山、社会教育者の篠原無然など、多くの偉人が輩出されています。
郷土の先人の活躍については、これまでから以命亭で功績を展示し披露してきました。
■普及活動
8月27日から9月1日まで、町民センターにおいて朝野明彦氏による書作展が開催され、自身の作品展示とともに、江戸後期から現代までの「書の巨匠展」において、新温泉町生まれの前衛書道家・宇野雪村の作品展示など「書のまち」としての活動が行われました。
また、本年度、諸寄地区では地区を挙げて、篠原無然没後100年を記念した講演会などを実施しています。
■民俗文化財
9月15日には県の無形民俗文化財として指定されている久谷ざんざか踊りが村中を回りました。丹土のはねそ踊り、海上の傘踊り、歌長太神楽、久谷の菖蒲綱引などそれぞれの集落で保存伝承されています。
■課題は
合併から19年経ち、高齢化や人口減少に伴い、集落内の担い手が減り、伝統行事の継承が難しくなっています。
文化庁認定を契機に、8月~10月にかけて文化財保存活用地域計画の説明会を各地域で行いました。
郷土の歴史・文化を後世に継承し、保護・保存・活用に努め、特色ある地域文化の振興を図るため、町民の皆さんの参加・協力をお願いいたします。
新温泉町長 西村銀三
※「こちら町長室」の動画(CATV版)は、動画配信サービスでご覧いただけます。
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